見出し画像

私とフィンランド01 |フィンランド熱発症

私が初めてフィンランドに行ったのは、今から15年前の2008年8月、20歳の時でした。搭乗したエールフランス機の中で、未知の世界に飛び込み、自分の人生が変わっていく予感にワクワクが止まらず、窓の外に延々と続くシベリアの大地を眺めながら胸をときめかせていたことを昨日のことのように覚えています。

交換留学先はヘルシンキから北東へ100kmほどのラハティという街にあるラハティ応用科学大学のデザイン学部でした。

到着してすぐに、秋が深まる街や公園の美しい景観、森や湖がたたえる光の輝きにノックアウトされ、カメラを片手に異国の街を延々と彷徨い続けました。

アパートのすぐ近くの小道

当然のようにお粥にベリーをぶち込まれ、食文化の違いに絶句したり(お米に!苺!?)、クラスメートからfacebookに招待されて戸惑ったり(facebookは当時日本に未上陸)、スクールパーティー、誰かの引越し、誕生日祝い、ピックヨウル(忘年会)など、様々な口実を見つけてはほぼ週3(水、金、土)でパーティーがある学生文化に驚いたりしながらも、幸運なことに、ルームメイトをはじめ、たくさんの素敵なフィンランドの友人に恵まれ、10カ月間めくるめく楽しい時間を過ごしました。

宇宙がテーマのスクールパーティー(フォトグラフィー専攻のスタジオにて)

そして帰国後、私は自分でもそうと気づかないうちに、ひどいフィンランド熱※に罹患し、こじらせてしまったのです。

※フィンランドに魅入られ、発症するとされている奇病。フィンランド製品を集めたり、トイレにフィンランドの地図を貼ったりし始める。つける薬は無い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?