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ナナイロゆる座談会開催!Co.山田うん「オバケッタ」と「未来の会議」について語ってきました

芸術の秋です!みなさん、最近アートに触れる機会はありますでしょうか。
長野県松本市を舞台に本日10月8日から17日まで、「FESTA松本2021」が開催されます。
これは新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、いろんな人が苦しんでいる困難な状況だからこそ、人々に楽しみや喜びを提供し、アートの魅力を身近に感じてもらうための秋の祭典です。

この10日間は松本のあちらこちらで、演劇、音楽、ライブパフォーマンスなど様々なイベントが実施されます。
フェスティバルの中心になるのは、10公演を超える演劇。
その中でも今日はCo.山田うん「オバケッタ」の魅力と、この公演を側面から支援する「未来の会議」代表 宋元燮さんの舞台芸術に対する熱い思いをお届けします。

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未来の会議と「オバケッタ」

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Co.山田うん「オバケッタ」はもともと2021年7月に新国立劇場のダンス公演として発表された作品。
「死んだらみんなどこに行くの?」という普遍的なテーマですが、オバケの国を舞台に、子どもも大人も楽しめるダンス劇になっています。

この公演の魅力の一つは22歳以下を対象とした無料チケット「ミラチケ」が用意されていること。
この未来のチケット-通称「ミラチケ」の活動をされているのが、東京を拠点に舞台芸術に関係する人たちをサポートする社団法人「未来の会議」さんです。

「未来の会議」さんは​新型コロナウィルスによって、苦難の時期を迎えた舞台芸術の作り手と受け手、双方を支援するために、2021年1月に設立されました。

未来会議さんの主な活動は以下の3つ
· 舞台芸術関係者向けサービスの提供(弁護士など専門家による相談事業)
· 若年層の創客のためのチケット制度をつくる(ミラチケ)
· 観劇者向けサービスの提供(観劇カレンダー)

ナナイロでは、代表の宋元燮さんをお招きし、急遽ZOOMによるオンラインゆる座談会を開き、ミラチケの活動や来週開催される、Co.山田うん「オバケッタ」についての見どころをお聞きしてきました。

ミラチケを活用して若い層に劇場との接点つくる機会を提供したい

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宋さん:ミラチケは、より多くの人が舞台芸術に触れる機会を作るために、22歳以下の人を対象に無料でさまざまな公演を観劇できるチケットです。
サービス開始当初は若年層を意識して22歳以下としましたが、今後はチケットの対象範囲を広げていきたいです。
例えば劇場に触れる機会のあまりない施設に入所されているお子さんや、アクセシビリティの問題で眼や耳が不自由で劇場に行けない方たちのためにも、活用対象を広げていきたいです。
そのために名称も「子どもチケット」ではなく「未来チケット」にしました。未来に向かってどんどん支援の対象を拡大したいと考えてます。
司会:とても素敵な企画だと思うのですが、小さいお子さんを連れたお母さんは、どうしても劇場で子どもが騒ぐのが気になってしまいますね。
今日は小さいお子さん連れで座談会に参加してくれてる人もいますが、どんな劇場ならお子さんをつれて観劇しやすくなりますか?
参加者Kさん:子どもがどうしてもじっとしていないので、観劇中に動いてもいいスペースがあると嬉しいですね。例えば防音になっていてガラス張りになっているようなエリアとか。

この意見に対して他の参加者からも「子どもが一緒だと騒いでしまうからなかなか劇場に行けない」「そもそも未就学児に対応してくれるプログラムが少ない」「対象公演がどのくらいの年齢の子どもが理解できるのか、あらかじめ情報がほしい」などの発言がありました。

宋さんからは劇団四季など劇場によっては、子どもが自由に動ける親子観劇室が用意されていることや、今回松本で公演されるCo.山田うん「オバケッタ」が未就学児の子どもたちが公演中に歌ったり、踊ったりしてしまうくらい、自由度の高いプログラムであることを教えていただきました。

こどもを静かにさせる必要がない公演であることを聞き、参加者からは「安心」の声と「小さい子どもを劇場に連れていきたい」という意見、また自分自身が小さい頃に親に舞台に連れていってもらった思い出など、相次いで出てきます。

参加者Tさん:ミュージカルやオペラなど、小さい頃連れて行ってもらった印象が強烈に残っています。お話は覚えていなくても、場面とかステージの様子とか、音の感覚が鮮明です。自分の子どもにも見せたい。
宋さん:私も小さい頃に見た舞台のちょっとした演者のセリフや表情に衝撃を受けました。他にも照明の衝撃とか、いまだに記憶に残っています。小さい頃にそういう経験をすることは絶対に損にはならないので、機会があればどんどん参加してほしいです。



劇場との接点が薄い日本の30代・40代の男性たち

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宋さん:そもそも日本では30代40代の男性は演劇との接点があまりないまま育ち、大人になっても劇場に足を向けないケースが多いが、それはなぜなのでしょう。
参加者Yさん:それは学芸会とかに嫌な思い出があるから。例えば「なぜわたしは木の役なんだろう(笑)」など。楽しかった思い出がないと、舞台に対する興味が続かなくて、劇場が苦い思い出になってしまっている人がけっこういるのでは?
宋さん:必ずしも演じる事だけが、劇場への接点になるわけではないと思います。
例えば欧米では、小学校の頃に演劇のメソッドが取り入れられています。それは演劇を通してコミュニケーションの在り方を学ぶプログラムです。
要は相手がこういったアクションを取った時、何を発信しようとしているのか、何の情報を伝えようとしているのか、キャッチボールするための要素みたいなものが演劇の中にはたくさん詰め込まれています。
演者の一挙手一投足が全部そのための設計になっていて、演劇はすべて人間観察の上に成り立っています。
観劇を通して、コミュニケーションをとるとき、相手とのやりとりする感覚を磨くことに役立つことがあります。

演劇はコミュニケーションを学ぶメソッドとしても活用できる
という宋さんの発言に対して、参加者からは「観劇を楽しみながらコミュニケーションを学べるという視方におおっとなりました」という意見や「コミュニケーションが苦手な人が多いので、こういう発想を知ることで劇場が身近に感じる」という声が寄せられました。

「未来の会議」代表の宋さんの舞台芸術に対する熱い思いを聞かせていただき、あっという間の1時間でした。
座談会に参加していただいたみなさん、ありがとうございました。
Co.山田うん「オバケッタ」は松本市民芸術館で10月13日(水)公演なので、ぜひこの機会にミラチケの検討をしてみてください!

Co.山田うん『オバケッタ』の詳細はこちらから
一般社団法人「未来の会議」の詳細はこちらから
FESTA 松本2021の詳細はこちらから

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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