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発達障害児の中学受験、ガチ受験した息子の場合

前回は通塾なしの娘の中学受験について書きました。

発達障害を持つ子供になぜ中学受験を考えたかについては前回の記事に書いてますのでこちらをご覧ください。

今回は大手中学受験塾に通いながら最難関受験までやってきた息子の中学受験について書こうと思います。
一応、灘、開成を含め受験した7つの学校には全て合格しましたが、今回書くのは難関校突破のための方法ではなく、発達障害を持ちながら、ハードスケジュールである通塾と本人のキャパシティの調整をどのようにしてきたのかというお話です。
塾に通いながら中学受験を目指すのであれば、普通は親の経済的負担、送迎やお弁当作り、宿題やテストのチェックなど伴走するための負担もかなり大きく、そしてもちろん子供にとっても負担の大きいものです。ましてや発達に凸凹を持った子供の場合、最後までやり切るためには子供の特性に合わせた方法を考えていかなくてはなりません。

我が家の場合は母子家庭ということもあり本来ならば大手中学受験塾に入れる余裕はないのですが、息子は特待生になることができたので無料で通いました。その条件として超難関校受験をしたまでのことです。

学校選び

我が家の場合、先程も書いた通り経済的余裕がないため第一志望校は地元の公立中高一貫校でした。
今では障害者差別解消法に基づく合理的配慮の義務は民間にも適用されましたが当時は民間は努力義務でしかなく、公立は義務でした。
それもあって障害による困難に対しての合理的配慮は公立の方が手厚い可能性が高いと考えていました。
実際に上の娘が先にその学校に入ったのですが、非常に手厚く小学校の支援学級よりも手厚いのではと感じました。息子は小学校の情緒支援級からの受験でしたが、受験して入った中学の方が人員的にも小学校より余裕がある感じでした。
当地では公立中高一貫校はこの第一志望だけでなく、市立と、隣県の国立と3つ受験可能なのでそのどれかに行ければいいなと思っていました。

私立も考える場合、まずは学校見学、学校説明会だと思うのですが、それ以前にだいたいの志望校は絞っておいたほうがいいかと思います。
塾で受験校を考える際に、お子さんの偏差値相当の第一志望、もうちょっと上のランクのチャレンジ校、絶対に受かるであろう範囲の滑り止め、この3つは勧められると思います。それぞれ見学でどの学校を狙うか決めていくことになるのですが、まずは第一志望校になりそうなところから見にいくことをお勧めします。
子供は最初に見学した学校を気に入りやすいという傾向があると聞いたことがあります。なのでできればそこから見学する方がお子様の目標設定がしやすいかと思います。

中学受験は小学校で習う範囲だけではなく専用の勉強が必要になるので通塾は必要な場合が多いですが、
発達障害を持つお子さんの場合、塾でバリバリ勉強して偏差値を上げ上の学校を狙うのは、おそらくキャパオーバーしてしまうことが多いと思います。
周りのお子さんたちはバリバリ勉強してくるので偏差値の維持だけでもそこそこ大変になります。お子さんのキャパを見極めつつどのあたりの学校を狙うか、できればあまり無理せず入れる偏差値帯の学校の中で、支援の手厚そうなところ、お子さんが過ごしやすい環境の学校を選ぶのが大事かと思います。
まずは保護者だけでオープンスクールや学校説明会に行き、ある程度絞れたら子供を連れていく形が良いかと思います。なので保護者の学校見学は早めからのスタートをお勧めします。

https://www.syutoken-mosi.co.jp/application/hensachi/upload/dansi202404.pdf
上記のURLは首都圏模試センターの2025年男子偏差値予想になります。首都圏では最大規模の中学受験向け公開模試です。 
多くの大手塾が無料でやっている公開模試は通塾していない子供も多く受けるので受験に向けての偏差値としてはあまりアテにはなりません。
上記の一覧表だと偏差値36から学校がありますが、
受ける子供はほぼ通塾している子供たちですので一般の小学生との偏差値の差はおよそ15〜20と言われています。つまり一般の小学生ベースで51〜56あたりの偏差値になるかと思います。

真ん中よりちょっと上くらいで入れる学校はいくつもあるということです。その中からお子さんの学力に合わせて、内申点の重要な高校受験を避け、6年間お子さんがのびのび過ごせるかもしれない学校を選べるのは中学受験のメリットだと思います。

塾選び

小学生低学年から参加できる塾の体験授業にいくつも行ってみるとわかるのですが、塾によって勉強のやり方や体制などは大きく違います。進学実績も大切ですがお子さんに合う塾を選ぶのが受験まで完走するのには重要になってきます。
宿題が大量に出る塾、スパルタな塾、まったりした塾、大手でも色々あります。
うちの子供は日能研を選んだのですが、一番の決め手になったのが授業が面白いことでした。子供が楽しんで授業を受けられることが一番大事だろうと我が家では判断しました。宿題量も他塾に比べてさほど多くなく自閉症の子供に対しての理解もありました。(この辺りは校舎によって違うかもしれません)

息子は算数は全国規模のコンテストで優勝するほど得意でしたが、国語がさっぱり苦手で、小学校の宿題の一行作文すら書けませんでした。
体験授業や公開模試を受けて日能研の国語の先生に「この子は作文を書けるようになるでしょうか」と尋ねて「なります!」と力強く言ってくださったのでここに任せようと決めました。最終的に国語が難しいとされる開成中学まで合格できたのでプロの技は本当にすごいなと思いました。
体験授業や公開模試はあちこちの塾でやっていますので、低学年のうちに色々行ってみてお子さんができるだけ楽しく通える塾を探してみてください。先生との相性も大きいと思います。

超難関校を狙う場合以外は、塾の進学実績はあまりアテにしない方が良いと思います。
塾の進学実績にはカラクリがあります。

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