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Web持ち込みで返事が来なかったので、ココナラで頼んでみた話。

こんにちは。イラスト担当のかわずです。
長年続けていたTwitterから思い切って離れた後、「自分の漫画の実力ってそもそもどのくらい?」という長年のモヤモヤを晴らしたい、と思い「新作漫画を描き下ろし、出版社に見てもらう」というミッションを自分に課し、それにずっと集中して取り組んでいました。

結論から言うと、「評価をしっかり頂くには、なかなかすんなりとはいかなかった」のですがググってみても、Web持ち込みの体験談を語る記事が思いのほか見当たらなかったので今回は自分の経験をまとめてみたいと思います。「Web持ち込みしてみたいけどどんなもの??」という漫画描きの参考になれば幸いです。


1.新作を描きあげ、4コマ雑誌2誌にWeb持ち込みするも・・・

自分はほのぼのとした、ファミリー向けの4コマ漫画が元々好きです。小学生の頃に描いていた漫画も4コマだったし、読む作品も4コマ(“少年アシベ”や、いしいひさいち先生の作品を図書館で借りて読んでました)が多かったです。4年ほど広島4コマ(うちらのフォークビレッジ)を描き、Twitterで公開し続けていたことなど今までの経験を踏まえ、万人がのんびり安心して読めそうな全8ページの4コマ作品を制作しました。

描き下ろした作品「くるくるまわるよレコード」の一部。どこかで公開したい…

1枚のレコードを見つけた放送委員の女の子を軸にストーリーが展開していく・・・という内容の作品をひとまずファミリー向け4コマ雑誌2誌に、勇気を出して持ち込むことに。

Web持ち込みの受付自体はどの出版社も専用ページを設けていましたが各社、入稿データ形式や応募の際の記入事項は結構バラバラでした。特に「過去の受賞歴」「アシスタント志望か」という項目は商業に今まで片足も突っ込んだことない自分からしたら少し戸惑いました・・・💧いずれも「なし」と入力しましたけども。まあ提出することが一番重要ですものね。

色々調べてみると一般的に、遅くても3週間以内には返事が来るとのことでした。待っている間「いまごろ読まれているのかな」「どう評価されるのだろう」と投稿作のことを考えるとドキドキです。「これが”まんが道”ってやつ??」とやり切った後の妙な幸福感も感じていました・・・が

待てど暮らせど返事が来ない。その3週間が過ぎても、来ない。

いても経ってもいられずネットで調べると某知恵袋には「有望新人にしか声をかけない。そもそも向こうも必ず返信すると言う義理はない」とあり、いくらWeb持ち込みのフォームを各社用意しているとは言え、必ずしも評価を送る義務は向こうにはないわけです。投稿フォームにも「必ず返信します」とは書いていなかった訳ですし。

「賞に送ると選考が長い上に評価ももらえないが、Web持ち込みは数週間で必ず評価が貰えるのでオススメ」とWeb持ち込みについて書かれたブログ記事もありましたが、まあ、こんなもんですよね・・・💦

と同時に「東京の出版社で予約を取り、出向き、直接見てもらう」というお馴染みのやり方がいまだにベターなのだなと知りました・・・(コミティアの出張編集部などももちろんありますが)。

とはいえ、自分のベストを尽くし仕上げた作品をそんな風に対応されたら残念ですよね。そもそも「プロの人に作品を評価してもらう」という目的がこう言う結果では、ソ●マックが何本も必要なくらいの消化不良にも程があります。

2.ココナラ(スキルマーケット)でお金を払い、添削をお願いすることに。

プロの方に批評してもらうため作ったのだからきちんと批評をしてもらいたい。じゃあどうしようかと考えていると同サークルのナナ先生が「ココナラの添削サービスにお願いするのは?」と提案してくれました。彼女は創作関連で欲しいものがあるとスキルマーケットでよく依頼をする人なのですが自分は「今の時代こういうのもあるのね」くらいでそれまで全く無縁でした。

「漫画 添削 4コマ」といった具合に検索してみると4コマ雑誌でお仕事をされていた経験のある方が何名か添削を受け付けており、価格も良心的で登録時に貰えた割引クーポンも利用可だったのでお願いすることに。

すぐに出品者から受付完了の返信が届き、作品提出と一緒に「目標とする作品は?」「どちらの出版社へ持ち込みした?」などの質問が来たので、それにも答える。

数日後、A4サイズのデータに「作品の全体的な感想」「良い点」「気になった点」が記されたものと、オプションでお願いした赤ペン添削(原稿に直接気づきやアドバイスが書かれたもの)データが届きました。絵のレベルや、ストーリーの組み立て方、良い部分気になる部分の洗い出し。とても親切な文章でしかもその内容が細かいこと細かいこと・・・自分の望みが叶った瞬間です。

「商業誌でウケるのはどっちかというと、こういうストーリー展開」と実際に4コマ雑誌で働かれた経験のある方ならではのアドバイスはやはり参考になりました。添削後に生まれた疑問にも丁寧に答えてくれ、ありがたかったです。

特に嬉しかったのが「自分がデビューした頃より絵が上手い」「続けていけばデビューできると思う」とコメントを頂けたこと(気を遣って言ってくれたのかもですが・・・)。と同時に昔からの考えすぎる性格から「反応を追うことに気疲れするくらいなら、もう漫画描くのいい加減やめた方がいいのでは?」とこれまで何度も思っていたので、「自分が漫画を描き続けたことは間違いじゃなかったのかも」と強く思えたことです。

3.「4コマ雑誌の出版社がもう1つあるじゃないか!」

添削をして頂いたあとに、ふと気がつきました。ファミリー向け4コマ雑誌を扱ってる出版社でまだ送っていない出版社がもう1社あったのです(萌え系4コマ雑誌でお馴染みの、あの漫画の殿堂です)。というわけで、ココナラで頂いたアドバイスを踏まえ、原稿を修正。それを再びWeb持ち込みすることに。

投稿フォームを確認すると気になる記述が。「以前システムトラブルで、投稿者の中に返信ができていない人がいるかもしれない」というものでした。これって裏を返せば「投稿者全員に基本きちんと返信しますよ」ということなのでは?とその時はなんとなく思いました。

読みはズバリ的中。送信から3週間ほど経った後にメールが届き、丁寧な作品の批評を頂けました。流石にココナラで頼んだ時のようなボリュームではなく、メール本文に簡潔にまとめられた内容でしたがしっかり作品を読んでいただいた上でのアドバイスで、とてもとても嬉しかったです。出版社の方からアドバイスを頂いたのはこれが生まれて初めて。

自分の場合4コマ雑誌オンリーでのWeb持ち込みなので全ての漫画雑誌に言えることではないのかもですが、返信するしないの基準は、本当に出版社によりけりなのかもですね・・・。

4.Web持ち込みにチャレンジし、得たもの

それは、確実に漫画描きとしての大きな経験を得ることができた、ということです。むかし読んだ手塚治虫先生の「漫画の描き方」の本にも「誰かに作品を見せなきゃいつまで経っても上手くならない」とあったように、第三者からのアドバイスはとても有益なものになるのだ、ということを改めて知ることができました。それがその道でお仕事をされている第一線の方からのものなら、尚更ですよね。

もちろん、作品の出来や、どの編集者のもとに届くのか?というのもあるのかもですが、大事なのは「必死に描いた作品のアドバイスを、確実に頂く」ということ。「このくらいの完成度なので返信しません」「忙しいので返信しません」というだけでは何も生まれないと思うので・・・これって漫画描きによってはメンタル相当やられますよね💧

自分がお世話になっているデッサン教室の先生(かつて少年誌で受賞歴あり)は「今は手軽にネットで応募できるからそれだけ作品が各社に集まっているのでは?」と自身の考えを述べてくれましたがそれもやはりあるのかもです。

まだ3社に送っただけの自分があんまり偉そうなことは言えませんが今回の経験から学んだのは、やはりせっかく貴重な時間を削り仕上げた作品なのだから「Webで評価をしてもらう場合は、確実に返事を貰える方法で行う」というのが大切だということです。「憧れの先生が描いているこの出版社へ送りたい」「ここなら自分の作風に合いそう」と思える所へまず気楽な気持ちで何社かへ送る。残念ながら返事が来ない場合はスキルマーケットでお金を払いお願いするか、機会を作り直接作品を持ち込む・・・ことでしょうか。

5.おわりに

出版社からいただいた批評には「漫画は読み手を意識することが大切」と基本中の基本が書かれており、今まで自分がいかに、井の中の蛙状態で作品を描いていたのかを思い知りました・・・(だから、かわずってHNってわけではないのですけども)。それでも「漫画、描くの楽しい。やっぱり、まだ漫画を描きたい」という思いは消える様子がないので、積み重ねた知識と経験を生かした新作を作り、機会があればこんどは対面で見てもらう・・・ということもまだ未経験なのでやってみたいです。

そしてそれは、今後の自分自身の創作や「ななほしサミット」でのサークル活動にも必ずプラスになることだと思います。あまり記事を更新できていませんが、今後も「ななほしサミット」をよろしくお願いします。