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【広島4コマ】「広島太郎」について

ななほしサミットのかわずです。
僕の4コマ作品を通して広島の観光ガイドに中々載らないようなネタを届けるシリーズですが、今回は観光ガイドには載らない、というより中々載せられない「広島太郎」さんのお話をしたいと思います。

「誰やねん」てことですが簡単に言うと、長年広島都心部で暮らす路上生活者(ホームレス)です。

ホームレスなのに、有名人

「何故にわざわざホームレスを取り上げる?」と思うかもですが、それは彼が地元民で知らない人はいないくらいの有名人だからです。もちろんWikipediaに彼の記事はあるし、お馴染みすぎて過去に自分も4コマ作品の題材に使っています(本人そのままでは少し生々しいので、猫の姿に脚色してますが・・・)。


太郎さん(多くの地元民は下の名前でこう呼びます)は基本的に広島市でもトップクラスの商圏エリア、八丁堀交差点付近から、半径約500m圏内、流川や薬研堀といった歓楽街もすぐそばにある路上で長年に渡り生活しています。一説には「現在の太郎さんは二代目で、一代目は原爆投下前から存在していた」との声もあるようですが本人は否定しているようです。

いつ、広島市中心部へ出かけても出会ってしまう。

今は昔ほどはいなくなったようですが、広島の路上生活者の大半は人気のあまりない公園や、広島に多くある川にかかった橋の下などで生活しているようです。が、太郎さんが他と違うのは長年ビルやお店が立ち並ぶ、人の多い場所で堂々と生活していること。そのため広島の街中へ出かけると、高確率で太郎さんと出会ってしまう。

また、大量のぬいぐるみが括り付けられたママチャリと共に行動しているというインパクト大の見た目もあり、市民の一部からは「広島の守り神」との声もあるようです。

自分も「太郎さんはだいたい街の、この辺に座ってることが多い」というのが自然と頭に出来上がってるので、その場所を通ると「きょう太郎さんおるんかな」と思ってしまう・・・こともよくあります。というか、毎回かもしれないです。

27時間テレビや、NHKでも取り上げられた太郎さん

「過去のメディア出演歴」を大きな段ボールにマジックでデカデカと書き、身の回りに掲げているのも太郎さんの特徴の1つです(なんだこのインパクトの塊...

その出演番組の1つに、毎年全国の系列局が参加することでお馴染みの27時間テレビがあります。30年以上前、「地元に住む面白い人を紹介する」という企画があり地元局が太郎さんのことを紹介したようで、以前某Y●UTUBEにもそのコーナーがアップされていました。番組では(比較的)若かりし頃の太郎さんが、飲み屋でカラオケしたり数匹の野良猫を可愛がったりするシーンが流れてましたが…当時から地元民にお馴染みの存在だったことを物語る内容でした。

そんなキャラ濃すぎの太郎さんはNHKの「72時間」でも番組開始初期に取り上げられました。「広島で知らない人はいない路上生活者、太郎さんを追う・・・」という内容で、先ほどの27時間テレビとは違い本人が登場したわけではなく、市民へのインタビューを通して太郎さんと広島の関係を深掘りする・・・というお堅い内容でした。72時間の過去の放送回でも注目度が高かったようで、放送時に見た僕は「他県人、それこそ広島にゆかりない視聴者はこれを見てどう思ったのだろう??」と疑問に思いました。

サークルメンバーで、和歌山出身のナナさんは僕と知り合う前、旅行で広島を訪れた際によく分からず、歓楽街である流川近くの格安宿をとってしまったことをきっかけに旅行後流川のことをネットで調べ、その際に太郎さんを知ったそうです。その後僕と出会い、2人で夜の広島の街を歩いたとき、商店街で座り込む太郎さんを見かけたことで太郎さんと「出会う」ことも叶いましたが・・・ナナさんはむしろ「どこの誰だか知らない路上生活者が、“生ける伝説”のようになっている」ということに今でも興味を持っているようです。

広島市民にとって特別な存在であることに違いはない。

市民の中には太郎さんに人生相談を受けたり、一緒に飲んだ人もいるようです。実際僕も以前、シャッターの降りた深夜の本通り商店街を歩いてると、酸っ払いと談笑する地べたに座った太郎さんを見かけたことがありました。

72時間でも何人か答えてましたが「見かけると1日いいことがある」「人生相談に乗ってくれる」と、彼に会うことで自分の人生にプラスに作用する・・・まさに歩くパワースポット、という見方もあるようです。

そこにいるのが当たり前な存在の太郎さん。ただ気がかりなのはやはり「まだ生きてr…まだ元気なのか?」ということ。たまにアウトサイダー系YouTuberのチャンネルに出演したり、一部では「実はお金持ち説」もささやかれているようですが…もし記事をご覧の方が旅行等で広島を訪れた際に彼を見かけたら、広島という街の変わった側面の一つとして記憶の隅に置いておくのも良いのかもしれません。


過去の作品はpixivで全て読めますので、ぜひどうぞ↓