意味がわからなくてもいいこと
私の話なんて、たかがしれている。
私達側の話は膨大で、たまに渦になる
そんなのは当たり前の事で、でも、当たり前だからって驚くのをやめたりしないのは、私の趣味だから。
他の人達もそうなんだろうって期待は、たぶん、遠い私が置いてきた。
小さい、日常的な、期待はしてると思う。
たぶんね。
してるように見えていると思う。
私もしているように振る舞っているし
それが本当に期待しているという事なのかもしれないって思ってるよ。
でも。
諦めたことの方が断然多い。
期待しないって長年の積み重ねだから。
本当に長い年月。
大人と呼ばれる年齢になったら、大人みたいな感覚が手に入ると思ってた。
周りの子達が感じ取っている世界とは、何か違う私の世界も、だいたい同じようになっていくんだと思ってた。
おかしくない。
私はおかしいんじゃないの。
これが当たり前なだけ。
それでも疑り深く
病院に行ってみたりしていた。
わかるの。
行く手前とか、検査の手前で。
ちがうって。
知ってるの。
その感覚が湧いてきて
なーんだ。って思いながら
やはりどこか病人って感じで
だって人間としては
病みたいなもんでしょうし、私が何重にもかけて、裏表が表裏で、やはり裏が表で、表が裏かもしれないじゃない?
段々と近づく。
元々こんなだったのなら、それはそれで大変だった。
まぁ、どっちにしても選んでる道は人とは違うみたいだけど。
渦が巻いて、風が唸る。
風が吹いていると呼ばれていると思う。
なんとなく。
雨粒もそう。
何時だって海は混ぜ返されている。
泡は還る。
私の心の凪は
私を人間に押しとどめるためのものなのか
人間から隔離するためのものなのか。
私達が勝手に喋る事は
記録しようと思うと出来ない。
私の声の録音を聴いたことがある人は、あれでもなんだか、何処か変な感じがするんだろうか。
あれよりもっと複雑な、それでいて当たり前のことを私達はよく喋っていると思う。
ただ、録音ボタンを押したら、途端に形にならなくなって、あんなふうになっちゃうの。
そういうものだよ。
そしてね、たまに上手に形になったりするけど、そうすると揺れるから。
私は揺れても大丈夫だよ。
だって、そういうものだもの。
あのね。
そういうものって知ってたら、なにも、当たり前のこと。
切り離して冷凍かけて、随分苦労しているんだなって、そう思う時があるよ。
変なの。
でも、それが生き延びる為になのか、何からか逃れる為になのか、当たり前だと思っているんだもの。
そこに、私みたいのがはいったら、怖いんだよ。
だから大勢は押し寄せない。
それでいいし、それがいい。
私みたいのに大勢押し寄せだしたら、それは異常事態か終わりでしょ。
私はわかってても
それでも
今しばらく見ていたいと思うんだよ。
ほんのひとかけらのはなし。