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お互いさまさまだぜ

そういや、倉庫で働いていた時の事思い出した。


薬局に送る食品類を出荷の為のカゴ車に積み込む作業。
因みに半分は飲料。あの2lペットボトル6本入りの箱。
それを5段とか積み上げて、1つのカゴ車に30箱とか。まぁ、店ごとに量は違うけど。

倉庫の中は激暑激寒だった。(私の通ってた倉庫が管理最悪なだけで空調あるのが普通だと思いたい)

そんな過酷環境でカゴ車(たまに言うこと聞かない車輪のやつがいる)を引っ張って、フォークリフトが行き交う中(現場のフォークリフト乗りによるけど荒いと轢かれそうになる)、商品を素早く集めなくてはならない。

出荷は時間が決まってるから。
間に合わないとトラックの運ちゃんに怒られる。
まぁ、トラックの運ちゃんは遅れたら店に怒られるわけで。
(お店に何時も商品が並んでるのは、見えないとこで重労働してる人がいるからだよ)


ほぼ派遣会社でまかなわれていた。先発で入っていた私達の会社がなんとなく指揮を取ってやっていた。
私のいたところは体質が体育会系というか、力仕事も多かったから、飲料積み込みとかも文句言いつつ楽しくやっていた。
結果、あとから来た会社が女の人が多くて、その人達から「飲料重くて辛い」「時間内に出来ない」と声があがった。

考えに考えて(ちょっと揉めた)、私達の会社の人と、他社の男の人達が飲料をやるという方向になった。
女の人達は途中まではやってもらう(男性陣の数少ないから)。そのあと軽いお菓子類に移ってもらうとなった。

私達の会社の中でも、重いのが苦手な女の人はなるべくはやくお菓子に回していた。

私は、何故か腕力あるというか、重いと思わないので、めっちゃ飲料のところにいた。
気のいい仲間と仕事する方が楽しい。


私のいた派遣は男女とも仲良しだったので、そもそも楽しかった。
他社の男の人達とも楽しくお喋りをして、何人かうちの会社に移ったりした。


私は私の事を『か弱い女』だとは思っていない。
ホームセンター時代、30kgの土袋を一人で軽トラの荷台に20体運ばされた事は私にとっていい経験だった。

あの時に比べたら、なんのその。
ペットボトルの箱なんぞ軽い軽い。
(というか、なぜあんな作業一人でやったんだ私)


そんなこんなで、なんとかやっていたが私はずっと疑問だった。
男性というだけで、重い飲料の作業をさせるのはフェアではないのでは?と。
なかには力仕事向きでない男の人もいるのでは?(倉庫内の作業ゆえ多少はそういうのわかって来てるとしても)
どう見ても真っ白でインドア派の男の子の積み方が雑なのは、たぶん、疲れすぎているからだし…。

なんにしても馬車馬のように働かされている男性陣が、なんとも可哀想な気がしてきた。(営業所の人は女に甘くて、男に厳しい野郎ばっかだからな……)

私、まだ元気だし頑張る!と私は思った。そして、口に出した。感謝せねば。

「何時も重いのありがとうね。男の人もさ、重いのずっとは疲れるから、適度に休憩してね!私がそのぶん頑張るっ!!私、元気だし!!私、出来るし!(ドヤァ」(何故かドヤる私)

と言ったところ、男性陣に慌てて止められた。
見てると折れそうで怖いとのこと。倒れないか心配になるとのこと。
失敬な。私は生まれてこの方、骨を折ったことはない!!倒れたこともない!!

しかし、それを言って、周りの女性陣もそうだそうだと言ってくれて、男性陣の頑張りをより一層感謝しつつ仕事するようになったら、男性陣がもっと手を貸してくれるようになった。
インドアな子も気を使うようになって、綺麗に積み込めるようになったし、尚且つ、今まではやってくれなかったが、大変な数の人を手伝ってくれるようになった。

お互いさまさま。
お互い歩み寄り、相手の立場を慮るだけで
こんなに素敵な空気になる。
私はそれが嬉しかった。

最後は業者側がクソみたいな対応してきて終わった現場だったけど、あの、男女共に頑張ってるのすきだったなぁ。





「〇〇さんは力仕事し過ぎだよ」
「なんだかんだ言っても男のが力はあるんだから、一人でやらないで呼んでよ」

と言われたことがある。
私はきょとんとして

「え、でも、私出来るよ?それに、男女平等じゃん??」

と言ったら、各方面の男女から

「「「それは男女平等とちがう!!」」」

って言われた。
まじかよ。ちがうのかよ。
出来る事は男女関係なくやるってのが、男女平等じゃないのかよ。(たぶんそういうことで、違うっていわれたわけじゃない)

どの職場でも重いものやろうとすると止められる。何故。出来るのに。
腰やってる店長に重いのやらせるより、腰も足も腕も丈夫な私がやったほうが安全じゃない??
ちょっとずつ運べば誰にでも出来るし。

男女平等って難しい…。


そういえば、この倉庫内の現場の休憩室で生理の話になった。男性陣と。

「女の人は偉いよ…月1で血流して、痛かったりダルかったりしてるのに、仕事しててさ」

そう言ったのは、本業ライターの男の人。私は、それを聞いて感動した。

「ありがとう。その言葉で報われるわ…痛いけど…」

それを聞いていた男性陣も

「いや、俺も思うね。男が代わってやれるわけでもないしさ、あんま想像できないけど、腰痛月1でと思ったら地獄……偉いよ」

「不便ですよね。お手洗いとかも聞いてると不便そう。俺なら仕事休む。無理。」

とか口々に言う。

「その心だけ持っててくれよ。大事よ。その精神があるって素晴らしいよ。君らは素敵な男たちだよ。……マジ……ダルい…」

「あ〜太陽のクソが」
「仕事いきたくねー」
「つかれたー」

休憩室で屍のようになりながら、そんな話をしていた。

この、相手の肉体は自分と違う作りなのだと理解してくれているのがいい人達だなと思っていた。

派遣にはいろんな人が集まる。
事情は様々。
単発は特に抜けが激しくて、次の日来ないとか当たり前のようにあった。
それでも、割とこの現場は長く同じメンツが居たのは居心地が良かったからだろう。


男女お互い違いはある。
それって絶対平坦な平等にはならない。
だから、お互いを思い遣る。

男女平等っていうより
お互いさまさま。
ありがとう。って感じ。


それぞれの人が頑張れるとこ頑張るのでいいじゃないか。
頑張れないときは、任せろって、頑張れる人が頑張ったっていいじゃないか。
そして、頑張れるようになったら、あの時はありがとう!今度は任せろっ!て繋いだらいいじゃないか。

苦手なことある人、ゆっくりな人がいてもいいじゃないか。


本当はさ間違えても、時間通りでなくても、許せる限り許す社会システムならいいんだろうな。
けれど、そうはいかないんだよね。
人間の社会のヘンテコでむずかしいところ。
だから男女平等とか言う言葉も生まれるわけ。

感情は捨てられないし、薄めたりできないのが人間だからさ、それらは仕方ないことなのかもね。

その中で、どれだけ沢山の人が心穏やかに生活出来るかなんだと思う。
出来る限りそうなるように、私ができそうなことはしたい。
上手に出来るかは別としても。



老いも若きも、男も女も、いろいあるけれどさ、きっといい塩梅があるよ。


倉庫作業思い出して、辛いこともあったけど、楽しかったなーって。
まとまりない感じで終わるけど。

お互いさまさま。

それぞれの人が大切な一人だよ。









サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。