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そういえば、そうなったなーって話。


まだケータイをパカパカして、動く絵文字にワイワイして、着メロならぬ着うたにドキドキしていたあの頃の話を少し。


私はあの頃は、まだ、自分でタロットカードを引くことはしなかった。
占いじたいも興味はあれ、深く掘り進めてはいなかった。

若い私は、今よりずっとアホで可愛らしい思い込みをしているアホの子だった。2回、アホを入れないとあらわせないアホの子だった。

その頃の私は探していた。

「一緒に」「私が一番好きになれる」
誰か。

今よりずっとずっと、女の子になろうと努力していた。
そうすれば、きっと、手っ取り早く見つかるだろうという打算的な考えもあった気がするが、たぶん、無い頭で考えて「誰か」は必要だから、その知らない誰かを納得させる自分を作るのに必死だったのだろう。

そんな私のお気に入りはケータイの占いサイトであった。よくあるでしょう。今でも。
生年月日を入れたり、氏名を入れたりして、定型文を買う、アレ。どうせ、定型文。統計学的な答えが用意されている。
今の私なら自分でタロットカードを引くほうが早い。

それでも、当時の私にとっては数少ないアドバイスだった。
今は少しマシな気もするが、私は元来人に相談するのが苦手だ。
機械越しの定型文の何がアドバイスだと思うかもしれないが、私にとって文書は良き相談役なのだ。
私が今まで欲しい答えは本の文面から受け取る事が多かった。


『必要な時に、必要な言葉に辿り着く。』


そう感じている。

さて、そんな私だ。
例え、定型文の相手と解っていても、監修した人間が気になる。
気に食わない文面は読む気にならないし、同じようなことを言っていても飲めないなら無駄になる。

無料で読める文書を読み漁り、その中から好きだと思う人のサイトを二つ取った。
それは月額315円(この値段に懐かしさを覚えないかい?)で、様々な占いができ、更に課金すればもっと詳しい文面が届くプランも用意されている、当時有り触れたサイトだった。

女性の占い師と、男性の占い師。
それぞれ系統の違う人だったと記憶している。

女性の方は言葉選びが、柔らかく、良い方向に考えていけるような、そういう言葉が綴られている。
男性の方はさっぱりとして、しかし、やはり穏やかな海のような言葉だった。

たくさん読んだ中で、私が最終的にカチッとハマった事だけ今も大切にしている。
何かが違うと思ったことは、とことん調べ上げた。

私は何故そう思うのか。統計的な流れでは何故そうなるのか。

私にとって統計的な結果は《仮定》である。
仮定を、肯定したり否定したり、その意見を踏まえて調べたり考えたり。
議題、という感じだろうか。
《自分では思いつかない自分》というものの議題を作ってもらっていた。


その中で確か、結婚相手として向く人の人相のイラストを出してくれるという課金プランがあった。
私はとにかく、私と一緒に森を駆けてくれるモノを探していたので、お金に苦しいながら(ガチ貧乏だった)500円の投資をしたのだった。

今でも覚えている。
私に合わないと出てきた顔は森田剛的な顔立ちで嫌いじゃなく、少し残念に思った。
私に合うと出てきた顔はんー…妻夫木聡、いや、んーなんというか顔がベース型というか、どちらかといえば男らしい?顔立ち。
当時、男性らしい男性を苦手としていた私はえぇーと、残念に思った。


さらに違うサイトの文面には結婚相手については、こうあった。

アナタには二つの選択があると。

アナタを愛してくれる人は、アナタの破天荒さを海のように受け止めてくれる人。
穏やかな人。

アナタを愛してくれる人は、行動的で楽しい人。アナタと楽しい日々を過ごしてくれるが、少し寂しい気持ちにもなる人。


両極端な人生の選択が今後あるのかと、私はまだ見ぬ誰かに思いを馳せた。

『楽しい人の方がいいな〜♪一緒にワクワクするのがいい〜寂しいのはきっと大丈夫!』

と足をバタバタさせて、ニコニコ動画を視聴しニヤニヤている彼女に言おう。

お前の前に立つのは『穏やかな人』だよ。


その数年後に夫に会うのだが、その頃にはそんな占いは片隅に残る程度。
しかし、思い出せるイラストを思い出すと…ほんと、夫。
まじ、顔の系統、ほんと、夫。

そして、破天荒な私の言動や行動を見事にスルーする様は、まぁ、受け入れてくれているともいえなくもない。
因みに、生の占い師(対面占い)がみてくれたもので、ギリッギリ滑り込み私の結婚相手が現れるよ期間に来たのが夫である。しかし、その占い師曰く、一人現れその人と別れ次が本命とのことだったので、若干、ズレた。
これが運命の分かれ道か。
なんとも中途半端な感覚なのはこのせいかなーなんてたまに思う。

こういうのは、こじつければいくらでも、出てくるんだけれど、まぁ、面白いからネタにはいい。

それに、私はどうやら必要な時にそうなるようになってるし、私自身は生まれた日の性質から大きくブレてないわけだから、統計学的な答えでも十分過ぎる。
傾向と対策で、点数を狙うのは、テストも人生もかわんないのかもしれないね。


今は自分でタロット引けばいいし、課金するなら何も伝えず見てくれる人が好きだけれど、前の私もいい勘してるよ。

って、そう思う。


いやぁ、なるようになってるね!
まぁ、したいことはなるようにするんだけど。笑



たとえ、道がわかっても歩きたくなきゃ歩かなきゃいいさ、そんな道。
ただ、知っているということは強みにも弱みにも出来るってこと。


あなたが掴んだモノを上手に使って、一度きりしか書けない物語の最期の一文まで、楽しんでいけますように。

サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。