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雲のむこう、約束の場所

「君の名は。」が流行る前から、私は新海誠監督が作る作品が好きだった。

「秒速5センチメートル」も「ほしのこえ」も「言の葉の庭」も……その他の作品も大好き。

でも、定期的に見てしまうのは

「雲のむこう、約束の場所」

だけ。

新海誠監督作品の中でも難解な作品らしく「わかりにくい」「面白くない」「え?これってハッピーエンド?」等々評価は厳しいものが多い。

けれど、私はこの作品が好き。

全部を説明して欲しい人に、新海作品は向かないと思っている。

作中に出てくる「宇宙の見る夢」という言葉が好きだ。 
宇宙も人と同じように夢を見ている。それが平行世界。というのがこの作品だ。

一人の女の子がその宇宙の夢と繋がって眠り続け、男の子二人が「世界」か「女の子」かを選ぶ話。

北海道がエゾとよばれ別の国になっていて、本土と争う世界の話。

「守れない約束」を守って、失う話。

雲の向こうに聳えたつ高い塔に、自作の真っ白な飛行機を飛ばす話。

 
美しい風景画を楽しんで見てほしい。舞台は青森だ。

古い駅のあの感じ。
電車の窓から差し込む光。
雪の国の短い夏の太陽。
錆び付いた廃駅。
宇宙の見る平行宇宙。

何故か懐かしくて、とても切ない。
劇中で流れるバイオリンが好きだ。
ヒロインが弾いた曲を、主人公が弾けるようになってる奥ゆかしい一途さが好きだ。

「何時も何かをなくす予感がある。」

主人公は宇宙の夢を見るヒロインを起こす。
それは…世界を書き換えるということ。
見ていた夢を消すということ。
失うということ。

約束の場所が消えた世界で生きていく。


夏の空が、切なく心を刺す作品だと思っている。
沢山の言葉で語る事はできない。
ただ私の感覚がこの作品を見ると「懐かしくて、切なくて、落ち着いて、悲しい」って。

そして頭の中に何度もあの真っ白なヴェラシーラが飛ぶ。

気になる人は観てみてください。
よくわからなくて苦手って人もいると思うけれど。

私はどうしてかな……すごい理由があるわけじゃなく、観てしまうんだよね。












サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。