見出し画像

もしも 家出して 私

昔、彼氏という役の人が居候だった時、もし遠くまで家出したらどうするんだろう?
と思ったことがある。
追いかけてきて欲しいとか、その役をこなすのか試したいとかじゃなくて、純粋に気になった。
離れて連絡も取らない親は、私が死んだころに気がつくだろう。とも思っていた。

現実には、アパートの主は私で、犬も猫も魚も虫も居たので、人間はともかく、彼らの事は置いていけないと家出をしたことは一度もない。


だから、妄想する。(妄想しようって思った時は、もっと明るい結末というか、もっとワクワク冒険だと思ったけれど、淡々と脳内の私の行動を追ったら、ある意味私らしい結末だった)


家出の理由はなんにしようかな?
いっか、これは、適当で。
なんにしても、私は家出をするんだ。


シフトは連休にして
「友達と出かけるね」
とだけ言っておこう。
そうすれば1日は夫に気づかれず、2日目も職場にはバレない。

きっと夫は何も疑わない。

まずは駅に…その前にコンビニでおろせる限りの現金をおろそう。小分けにして。家の近くで。
探された時に痕跡が近くでしかないように。

そして電車に乗ろう。新しいICカードを買って。古いものは名前で辿られてしまうかもしれないから。

きっと昼間。天気のいい日にのんびり家出。
目的地は決まっていない。
とりあえず南下してみるか。

そして、ぽちぽちnote を書く。

『家出するkoedananafusi』って題名にしよう。
ダイレクト過ぎて、出てくるまでの小細工が台無し。でも、いっか。

そして、淡々と、ただ、淡々と家出をする事になった経緯を書く。

投稿ボタンを押して、ホッと一息。
これで、たとえ、抜け殻が見つかってもnoteの痕跡を辿って無駄な憶測はなくなるはず。

そして電車に揺られる。人の少なそうな場所を選ぼう。お金はそんなに持っていないから、そのうちどっかで野宿かなぁ。駅舎に人がいないと最高。

note 読んだうちの何人かはメールやらなんやら連絡くれる気がする。現実には来ないかもだけど。笑

それに対して思わず笑う。嬉しいから。スマホをぎゅっと握る。嬉しいから。
でも、誰に頼ることもなく「大丈夫だよー」と返信して、私のアテのない家出は続くのだろう。命が許す限り。

もし、途中で家に戻されたら、とんでもなく窮屈な気持ちになるんだろうなぁ。
私が家を出るということは、捨てるというのに近いから。

誰か知り合いの家に泊めてもらうのも、きっと気持ち悪い。申し訳無さもある。

私が本気でアテもなく家出したら、それは果を見て朽ち果てるための旅なのだろうから。
けして急がないけれど、けして止まらない終わりの旅。

きっとスマホは1日限定。充電が切れてしまう。
その後は何処かに捨ててしまおう。
コンビニのゴミ箱にゴミと一緒に捨てるのがいいかもしれない。
ついでに保険証やクレジットカードも捨てようか。もう使わないもの。きちんとゴミはゴミ箱へ。

何日経ったら、夫は慌てて動くんだろうか?
普段から誰と遊ぶとか、何処で遊ぶとか、私が積極的に話すだけで、私から話さなければ聞いてくることもない人だから、きっと、あれ?と思った時には、私はだいぶ遠くにいるんだろうな。

親はやはり私の抜け殻と対面で知るんだろう。
あーあ。肉体だけ連れ戻されちゃうの嫌だな。
よし、なるべく見つからないところに行こう。

 

何も知らないままの私の肉体を知る友人だらけ。事の顛末を何となく知っているのはきっと、電子の海の仲間だけ。


私が家出する時って、肉体の世界のこと捨てる時なんだね。
淡々と、別に悲しくもなく、嬉しくもなく、淡々と脳内で妄想の家出したら、思ったより終わりで、なんかそういうフィルム映画ありそうだなって思った。やけに白く明るいの。



妄想だから、家出の途中で好きに誰かに助けてもらったっていいのにさ、昔観て、毎度溺れるように号泣していたドラマ「あいのうた」みたいに、嘘で記憶喪失になって、優しい人達に囲まれて、全く知らない自分になったっていいのにさ、律儀に誰にも「助けて欲しい」とは言わなかった。

そんな、都合よく助けは来ない。特に、そういう縁が薄い私には。なんとなくでも、そう感じている。そして、人の優しさは時に奇跡のように差し伸べられることも知っている。
そして私はそれを目の前にした時、言葉にならない複雑怪奇な感情を抱く。
私、そういう猛烈な違和感があるから。
すなおじゃないとか、こころをひらけばとか、すごいつかれちゃう。



なんでだろうねぇ?

しらん

まぁ実際はもっと汚く終わるよね家出なんかこの歳でしてもさ

まぁ、絶対ではないがそうなりそう

じゃとりあえず家出はしなくていいか

家出しなくても追い出されるかもよ?

その時はその時じゃない?

今の所そんな事はたぶんなさそうです

あー

何だこの記事


        koedananafusiは日々脳内が忙しいのであります。




サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。