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滋賀へ。

冷たい雨の降る日曜日、滋賀県立美術館へ向かうことにした。
来月に迫った自分の個展前のタイミング、そして距離を考えるとほぼ諦めていたのだけれど、いろんなことに少し行き詰まっていたので強行日帰りすることに決めた。

「川内倫子 M/E 球体の上 無限の連なり」最終日。
徳島からは約3時間のドライブ。午前中に一本仕事を終わらせて向かう。
道中も滋賀県に入ってからもずっと雨で、止む気配はなかった。

高速を降りたところ。文化ゾーン。

"文化ゾーン"と標識にもあるくらいだからたくさんの人で賑わっているのかと思いきや、とても静かな場所にある施設だった。駐車場にもすんなり停められて、美しく手入れされた日本庭園を眺めながら美術館へ向かう。

美術館エントランス

館内も最終日の割には混み合うこともなくとてもゆっくり観ることができた。
川内倫子さんの写真は、映画"誰も知らない"の写真集あたりからすごく好きで、写真ももちろんだけどその言葉にもずいぶん影響を受けてきたように思う。でも今回の展示は言葉、は最小限であったにもかかわらず、写真と映像からものすごい量のエネルギーが滴っていて、会場を出る頃には映画を何本も観終わったくらいのぐったり感でエントランスロビーの椅子に座ってしばらく動けなくなった。
日常の中にある生と死の繰り返し、それを美しいだろう、と押し付けず、ただ淡々と見せられるからこその生々しさ。感じることを装飾せずただそのままに表現するってなんて難しいのだろうと思うから、川内倫子さんの写真に惹かれるのかな。

映像に添えられている音声のボリュームもとてもちょうどよく効果的で、日常のなかにある視点をずっと見せてもらっている感じ。展示室も装飾的なのにそれを感じさせない完成度。

外にも作品があって窓から観ることができる

展示室と展示室を繋ぐ通路の一部に休憩部屋、みたいなのがあって(ありますよね美術館て)、そこからこの作品が眺められるのだけど、ここが非常によかった。たまたまわたしが入ったときにずっとコロコロでその小部屋のカーペットを念入りに掃除している男性がいて、鑑賞者をあまり気に留める様子もなくただひたすらに掃除をしている。そのシーンが先ほど観た動画の続きのようでとても印象に残っている。

常設展のほうでも滋賀にまつわる川内倫子さんの作品がたくさん展示されていた。特にやまなみ工房のシリーズが好きだったな。
もうひとつの常設展では、小倉遊亀の日本画もたくさん観れて贅沢だった!滋賀って文化人たくさん輩出していますね。

さてロビーで30分ほど動けるようになるまで休憩したらもう16:00前。他の美術館に行くには時間が足りない。かといってこのまま帰るのももったいない。ということです少し距離があるけれどラコリーナに行くことにする。

50分ほど走って到着。まだ雨は止まない。


藤森照信さんの建築を堪能、そしてしっかりバームクーヘンも購入。バームクーヘンができあがる工程を観られるのはたのしいね。
閉店1時間前に着いたので、混雑も避けられてよかった。

さてここから帰路が長い。。帰り、琵琶湖大橋を初めて渡ってちょっと感動。琵琶湖っておおきいね。そして川と違って土手がないから水面が近くてなんか不安になるのは、川の国で住んでいるからか。

途中あまりの眠気にSAで仮眠をとりながら淡路島までがんばって走る。アクアイグニス淡路島でごはんを食べて温泉につかってちょっと休憩。お風呂はぬるめの塩分強めのお湯でとても好みだった。またゆっくり行きたい場所のひとつ。
本当は淡路で一泊したかったけれど、春休みの週末、しかも最後の(?)旅行支援的なのが使えるタイミングだからかどこも満室。仕方なくここからまた1時間半走って無事帰宅。

350km以上走った1日、日帰りするにはぎりぎりの距離。でも行ってよかった。さて個展に向けラストスパートがんばります。


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