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ただ音楽を楽しむ!~帰省中の三味線演奏会~

夏休みも終盤。楽しい時間はあっという間ですねー。我が家は今年の夏も毎年恒例の帰省を満喫しました。今回は、その帰省でのエピソードを書こうと思います。

今回のお話*****************************

■ 帰省中の出来事 思わぬ演奏会

■ うまいとか下手とかをこえて

■ ミュージックケアも同じ

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■ 帰省中の出来事 思わぬ演奏会
我が家は毎年お盆とお正月、主人の実家に帰省します。二人の息子たちは主人の実家が大好き。おじいちゃん、おばあちゃん、いとこたちとの時間を満喫します。

今回、小5の長男が、おじいちゃんに三味線を聴かせたいということで、三味線を持って帰省しました。長男は2年前から三味線を習っており、最近あった発表会をきっかけに「津軽甚句」を自信をもって弾けるようになりました。

帰省最終日の夜、おいじいちゃん、おばあちゃん、いとこ家族がそろった夕食の時間、長男が三味線を弾き、私が歌いました。みんな、三味線を聴くのも、津軽甚句を聴くのも初めてだったと思います。にも関わらず、手拍子をしてくれ、小1のいとこは「あ そーれ!そーれ!」と掛け声をかけてくれました。
続いて「こきりこ節」を演奏すると、今度はいとこたちが輪になって踊り出しました。手拍子と歌と三味線と踊り、なんとも言えない、幸せな時間でした。

■ うまいとか下手とかを超えて

長男は、ただ三味線がやってみたくて習い始め、三味線が好きになりました。民謡を習うつもりはなかったけど、三味線の合間に先生が少しずつ民謡を教えてくれ、親子で歌うようになりました。一方観客になってくれたみんなも、三味線や民謡を聴くのは初めて。そんなみんなが三味線と民謡でひとつになる。三味線と歌と手拍子と掛け声が響くその空間は、三味線がうまいとかヘタとか、間違えたとかあっているとか、そんなことはどうでもいい!音楽を楽しんでいる時間でした。

楽譜通りに、間違えないように、それもすごく大事だし素晴らしいことです。でも、ただ楽しいから、ただ好きだから演奏する。歌える人が歌って、手拍子したい人がして、ただ聴いてる人もいて。そんな空間も素晴らしい。それってミュージックケアの場と同じだなって思います。

■ ミュージックケアも同じ

この夏、2か所の支援センターでミュージックケアをしました。ほとんどの方々が初めてミュージックケア初体験。そんなみなさんと「トルコ行進曲」を楽しんだ時。ピアノの音にじっと耳を傾け、それぞれが感じる強さで鳴子を鳴らす。次第に揃ってくる鳴子の音。ここにいる皆さんは、この数分間は全てを忘れて「トルコ行進曲」を楽しんでくれたのではないか。うまいとか下手とか、音楽を勉強していたとか初心者とか、そんなことは関係なく、「トルコ行進曲」を聴いて、鳴子を鳴らして、その音を、鳴らす感覚を楽しんでくれていた。そんな風に感じて、一人感動していました。そして、あー、これって帰省中の三味線と同じだなー、って思いました。

三味線が好きだから、歌うのが楽しいから、またおじいちゃんたちと楽しみたいから。そんな気持ちを一番に三味線を楽しんでほしい。みんなの手拍子や、いとこの掛け声、大人がお酒を飲みながら口ずさむ。また弾いてね、っておばあちゃんが言ってくれる。そんな音楽の楽しみ方を忘れないでいたい。そしてミュージックケアの場はそれができる。あの曲やりたいな、みんなと鳴らしたいな、ママと布を揺らしたいな、そんな気持ちを大切にできる。ただ音楽を楽しむ。そんな空間を、これからもみんなと楽しみたいと思います。

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