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日本と台灣を往復しつつ漢方・中医学・統合医療の研究・教育に従事。日本薬科大学漢方薬学分…

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日本と台灣を往復しつつ漢方・中医学・統合医療の研究・教育に従事。日本薬科大学漢方薬学分野講師、文部科学大臣認定漢方アロマコースサブディレクター。

最近の記事

“薬膳”と“日式薬膳”

はじめに 薬膳、とひとことで言っても、(特に日本においては)実はその方向性や内容は様々。なぜそうなったかという理由としては、食文化的な問題や法的な問題があります。 たまたま先週、本学の実習室で、午前中に“中国や台湾で食べられている系統の”薬膳・午後に“知識は中医学ベース、方式は日本式の”薬膳の実習がそれぞれ行われており、ビジュアル的に比べやすかったので取り上げてみました。 “漢方系の”薬膳 こちらは午前中の生薬学で行なわれた実習。どう見ても漢方生薬であるものが材料として

    • 屠蘇散について、あるいは屠蘇散づくりの裏側

      毎年、大学からの年末のお使い物ということで屠蘇散を作っています。屠蘇散は新年の縁起物として酒に浸け、屠蘇酒として用いられるものです。新年早々に「屠」などという物騒な字を用いる理由としては諸説ありますが、最も有名な説としては「体内の邪を屠り、心身を蘇らせる」意図をもって用いるものだからである、といわれています。 そしてこの屠蘇散ですが、屠蘇散の名は確かにあるものの、その配合内容は、実は一定していません。年末になるとあちこちで売られているのは、日本の漢方家がそれぞれに工夫したオリ

      • 身体のこと、ものがたりを生きること

        明けましておめでとうございます。それともHello World… 初noteです。 東洋医学をはじめとするホリスティックケアについて、あちこちで書いたり話したりさせていただく機会が増えてきました。いただいたテーマに合わせて応えるように書くうちに、私が書いているさまざまな情報を束ねる要としての私のベースをまとめておく場所の必要性を感じたのがひとつ。パッチワークのように原稿を綴るうちに、私の認識している東洋医学的な世界を通底する感覚、全体像のようなものを書き留めておきたくなった

      “薬膳”と“日式薬膳”