マガジンのカバー画像

七田の コラボ/応募作品

69
七田を知るにはこちらから。ショートショートが私を知る手っ取り早い方法です:)。 素敵なノーターさんたちとのコラボレーション作品集。 勝手にコラボ作品もあります。(笑) 沢山の素敵…
運営しているクリエイター

#ショートショート

『とまった先に』:春ピリカ1200文字

紫がかった空を真っすぐにさすその指を 放っておくことが出来なかった。 無言の助けを求めてい…

七田苗子
1年前
127

1分ショート【空飛ぶ金魚】:「咳をしても金魚」お題

ー 咳をしても金魚。悔しがっても、泣いても僕は金魚以外にはなれないんだ。 ガラス越しに金…

七田苗子
1年前
74

『まつぼっくりのポケットに』1分ショート:小牧さん1分小説の対・続編

これは小牧幸助さんの1分小説『まつぼっくりをポケットに』の対・続編です。 『まつぼっくり…

七田苗子
1年前
45

1分ショートショート:『お空のレストラン』

時計が真夜中を指す頃、一人の少年が膝を抱えて窓の外を眺めます。お母さんが恋しい…。流れ出…

七田苗子
1年前
83

ショートショート:『チャリンチャリン太郎』400文字x2編

久々に書かせていただきます:) 今週のお題は「チャリンチャリン太郎」。 ということで、2編…

七田苗子
1年前
51

『君ときみと僕』‐ショートショート王様

広い中庭の花の中で一人ぽつんと膝を抱えしゃがみこむ少年がいた。誰一人として僕と遊んでくれ…

七田苗子
2年前
63

ショートショート:『金』‐時と涙を超える魚

温い空気のせいかなのか それとも 湿る瞳のせいなのか かすんだ視界の片隅には ぼんやりと浮かび上がる様々な色した まぁるい光玉。 子供がきゃっきゃとあげる声は 私の耳に入ることなく 高く 夏空の中に吸い込まれてゆく。 祭り通りを行き交う人を避けるように 私は一人 道を外れた所にある神社の石垣に いつになっても曇りが晴れない視界を ただただ受け入れながら 座っていた。 もうダメだ。 自分を繋ぎとめていた細い糸が小刻みに震え 無言の悲鳴を上げていた。 今までボロボロにな

ショート: 『Colored Notes』 - 歌スト応募作品。(2852文字)

僕には音が見える。 まるで空気を泳ぐおたまじゃくしの様に 音符たちが見渡す世界のあちこち…

七田苗子
2年前
59

『火の鳥』

山奥に「幼子村」という小さな村があった。 十にも至らぬ子供達。病弱な母を看病している子、…

七田苗子
2年前
151

『あったかい繋がり』

とある小さな町の 小さな山小屋に 小さなガチョウが住んでいました。 お母さんと二人で 山…

七田苗子
2年前
102

幸せしろくま夜星さんぽ 【一分マガジン】

ある街の動物園に真っ白なしろくまがいました。 ある日 帽子をかぶった男爵がしろくまの前で…

七田苗子
2年前
91

三角屋根のてっぺん星

月明かりが そっと一筋の雲を照らし出すと 小さな影が 地上をのぞき込んでいる。 柔らかく…

七田苗子
2年前
60

ショート:『苺浮遊』

艶やかに光る赤い粒が 水面にぷかぷかと浮いている。 蛇口から滴る水が水面を打つたびに 苺…

七田苗子
2年前
53

『花になれ』

そっと病室を出ると ドアの向こう側から一斉に漏れる悲しみの声。 聞きなれている物なのに、いつも胸が締め付けられる。 そっと握りしめていた光を 青い空にふっと放った。 もう沢山だ。 こんな辛い思いは もうしたくない。 空高く上る光を見つめながら 僕はどんな顔をしてたのだろう。 ”悲しいの?” 小さな声が地面から聞こえる。 どうせ自分にかけられている物じゃない…光はもう空に溶けてゆきそうなくらい小さく遠のいていた。 ”ねぇ 悲しいの?” つられて顔を地面に落とすと、僕の