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【漫画家志望】「才能ない」と言われてしまった時の対処法

こんにちは。非売れっ子漫画家の能登ひなみです。

最近ちらほら…というかこの界隈にいると常に耳に入ってくる問題について今回は取り上げてみます。

「才能ないから諦めなよ」と言われた時どうしたらいいの?

友人や知人から指摘されるパターンもあるでしょうが、大体は持ち込みや投稿で編集さんから、という場合が多いようです。

能登は言われたことあるのか?については

はい、あります。

その後どうなったの?については

結論として、全く気にする必要はなかったです。ニッコリ

ストレートに「才能ないから商業誌は諦めて」と言ってきた編集さんは現時点で1人なのですが、(何も言われずフェードアウトされたことはたくさんあります泣)それ編集さん個人の感想でしたからね。何もデータありませんから。あくまで一意見として大事に胸にしまっています。心の中にひろゆきを。

しかし、今だからこそ笑い話にできますが、当時は相手にされなかった悲しさと不甲斐なさに落ち込んだのを覚えています。

100個の肯定的な意見より1つの批判に気を取られてしまうのが人間なのですから仕方がありません。生存本能。死なないためには100頭のシマウマより1匹のライオンに注目しなくてはいけないのです。

「才能ない」という言葉の裏には何が隠されているのか?

そもそも、「才能ないから諦めなよ」と口にする心理とはどういうものなのでしょうか?
いくつか理由が考えられますので挙げていきます。

1.作品のクオリティが著しく低いから。
これが一番多い理由なのではと踏んでいます。
画力もネーム力も足りておらず、その上絵の練習やストーリー作りの勉強も怠っている…
「そんな簡単な世界じゃないから諦めたら?商業じゃなくても2次創作とか同人やるって手もあるし」と思わず口に出してしまうのでしょう。
能登が先ほど「才能ない」と言われてしまったのはこれが原因です。
その場合、ひたすらプロ作家の作品をページごと模写する。ネットで画力やネーム力を上げる方法を片っ端から取り入れる。漫画の基本ルールをおさらいする(意外とわかっているようでわかっていないものです)を繰り返し自分の実力を上げていくしかありません。自分は変えられるし、著作をブラッシュアップできるのは最終的には自分だけなのですから。
とはいえ、何があっても作家の未来を批判する権利は編集者にも読者にもありません。誰かが生み出したものに敬意を払えない人はしょせんその程度だと割り切りましょう。

2.言う方が自分自身の将来性を否定しているから。
これも何気に多い理由だと感じます。
人間は無意識に自己を他者に投影するものなのですが、これは他人への評価にも関わってくるんですね。
アシスタント先にいた漫画家を諦めてプロアシになった人は「漫画家なんて才能が9割なんだから一般人が目指すだけ無駄」が口癖でしたし、
ヒット作が出さず追い詰められた編集者は「そんなアイディアつまらない。ダメ、全部ダメ」とやたら作家を否定し始めます。
それ全部その人個人の経験談なんですよね。
自他の境界線を引けるタイプの人かどうかしっかり見極めることが大事なのかもしれません。

3.言う方に余裕がないから。
これについては単純に「巡り合ったタイミングが悪い」に尽きるかと。
先ほどの「自分自身の将来性を否定しているから」にも通じるのですが、
こちらが何を提案しても否定ばかりで一行に仕事が進まなかった女性編集者が、その時彼氏とうまくいっておらず、編集の仕事も正直好きではないと後々明らかになったことがあります。
編集さんも人間ですし、読者も人間ですし、虫が悪ければ嫌な言葉をぶつけてきます。
発信者である限りバッシングはあらゆる方向から飛んでくるのです。
(そして恐ろしい話ですが、たとえ連載デビューしても能力は否定されます。おそらく多少売れてもされます)

漫画家が自己責任で意見を選ぶ

最後に、漫画を今日まで描いてきて常々思っていることなのですが、

「人の意見は聞かなくていい」

という側面が少なからずあるのをお伝えしておきます。

いや、人の意見は大事でしょというのは真っ当な考えなのですが、付け加えると「人の意見を全て聞こうとしなくていい」と言った方が正しいでしょうか。

仮に、ここでは持ち込みに行ったら編集さんに酷評されたという想定で話をしますが、その編集さんは予言者でもなければ漫画の神様でもありません。

編集さんはすごい人でもなんでもない

のです。

もし仮に編集さんがそんなにすごいのなら全ての漫画はヒットしています。

それは読者も同じことで、あなたの漫画を褒めるにしろ酷評するにしろ、あなたの人生を左右する力を持っているわけではありません。

人の意見というのはひどくいい加減なものです。
その時の世相や流行や個人の気分でいかようにでも変わっていくのだと思います。

漫画を描くという行為は孤独ですが、だからこそ作家は何があっても自分の味方でなくてはいけないのです。どの意見が自分を生かし、時に殺すのか自分自身のファンとして精査できなくてはいけないのです。

「才能ない」というワードはDV(ドメスティックバイオレンス)級なので、暴力に屈する必要はないのではないでしょうか。

「才能ない」という一言を、漫画家を諦める理由にはしないでくださいね。

そして




どうか褒めてくれ!クリエイターは褒めて伸ばしてくれ!褒めすぎて困るということはない!

拙作にして連載中「その復讐、クズの味」もよろしくね!

能登でした。


記事を読んで下さっただけでも感謝しております。投げ銭を投げられるときっと面白い声を出します