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時代を超えて変わらないモテ、それは「思いやり」。AIが答える時代別"モテ"ファッション全史 

ある日ふと女性ファッション雑誌のタイトルに目が留まりました。

「参考にしたい!令和のモテるアラサーファッション」──。

確かに私がモデルを始めたころは、いわゆる「異性から」の評判がいいファッションが王道でした。

しかし、今は多様性や個性”が重視される時代。異性のためではなく自分のためにおしゃれを楽しむのが当たり前になるなか、まだ「モテ」という概念が生き残っていたとは……。そんな気持ちを胸に雑誌のページをめくると、とある違和感が。

雑誌の中で輝くモデルたちが身に着けているのは、女性の多様なライフスタイルを想定したファッションばかり。私が想像していた、いわゆる異性ウケのよい服やアクセサリーではなかったのです!

もしかして時代ごとに「モテ」という言葉の意味合いは変わっているのかもしれない!そう思い、さっそく今話題のChatGPT 4oに時代ごとの「モテ」を聞いてみました。

昭和のモテ:家庭的から社交的なファッションへ

日本における『モテ』女性の条件は、時代とともに大きく変化しています

とAI先生。まずは昭和のモテについて聞いてみました。

理想の女性像:家庭的で清楚な女性
・家庭的:料理や家事が得意で、良き妻・良き母となることが求められました。
・清楚さ:上品で控えめな態度や外見が好まれました。
・従順さ: パートナーを支え、家庭を大事にする従順な性格が評価されました。

ファッションについてはシンプルで清潔感のあるファッションが理想とのこと。画像にすると、こんな感じ。

昭和初期の平均出生率は3~4人でした

まだ和装なので、昭和初期を想定しているのでしょうか?子供が3人いるところがリアルですね……(うち一人は旦那様?)。他にもイメージを生成してもらいましたが、どれも子供をあやしていたり、食事を作っていたり。家庭的で質素な生活の中でも料理や家事に励む姿が描かれているとのことです。

では昭和後期から平成初期にしたらどうなるのでしょうか?

少しシティーハンター調

おお!一気にバブリーな雰囲気が。昭和初期と比べて、華やかで外向きな印象になりましたね。モテるファッションは華やかで派手、露出度の高い服装や派手なメイクがモテる女性の特徴とされていたそうです。

理想の女性像:社交的で派手な女性
・高級ブランド、美への投資:経済的な豊かさが象徴され、高級ブランド品が人気でした。高級ブランド品を身につけていることが求められ、美容整形や化粧品、美容サロンなどへの投資が一般的になりました。
・社会的地位: バブル景気に乗ったサラリーマンや企業経営者など、高所得や社会的地位を持つ男性との交際が、女性の魅力を高めると考えられました。
・社交と娯楽:クラブやパーティー、高級レストランなどに積極的に参加する女性がモテました。

平成のモテ:ファッションは自己表現のツールに

次に私の世代、平成のモテはAIではどう表現されるのでしょうか。

理想の女性像:自己表現や個性が重視される女性
・自己表現:ファッションや趣味を通じて自分を表現することが重要視されました。
・キャリア志向:職場での活躍やキャリアの構築が評価され、働く女性が増加しました。
・社交性:人付き合いが上手で、コミュニケーション能力が高いことが求められました。

自己表現のための個性豊かなスタイルやヘアメイクがモテるファッションだったそう。確かに「ギャル」や「森ガール」など個性を前面に出したスタイルがはやりましたね。昭和では男性とのかかわり方が女性の魅力の要素とされていたのに対し、女性自らがキャリアを築いていくことが重視されている点にも時代の変化を感じます。

画像にしたらこんな感じでした。

「赤文字系ファッション」全盛期。※好感度やモテを意識したコンサバファッションのこと。

あまり個性的ではありませんが、思わず「いたいた!」と声をあげたくなる完成度笑ゆるふわウェーブなロングヘアに、細い眉と強めのアイライナー。服装はカジュアルだけどどこかお嬢様な雰囲気も感じる……まさしくエビちゃんスタイルですね!

令和のモテ:価値観の尊重と自立のファッション?

お待ちかね、令和のモテはどんなものなのでしょうか?

理想の女性像:多様性の尊重、デジタルリテラシー、エンパワーメントが魅力の要素となる女性
・多様性の尊重:さまざまな価値観やライフスタイルを尊重し、自己の価値を理解していることが重要視されます。
・デジタルリテラシー:デジタル技術に精通し、SNSやテクノロジーを活用する能力が評価されます。
・エンパワーメント:自分の意志を持ち、自立していること。自己肯定感が高く、他者をもエンパワーできる能力が求められます。

NewsPicksの番組でもよく耳にした、Z世代を表現する言葉がずらり!画像にするとどんなふうに表現されるのか、ワクワクしてAIに頼んでみると……

え…?

え……?今までの画像と比べても明らかにクオリティの低下が一目瞭然。なぜか頬こけているし、最近問題視されているルッキズムの要素を取り入れてしまったのでしょうか?納得いかず再チャレンジ。

う~ん、全部しっくりこない笑 なぜか着物風の服を着ていたり、背景が浅草のような江戸の下町の雰囲気が出ていたり。令和の「和」の字に引っ張られちゃったのでしょうか……スマートフォンを必ず片手に持っているのは合っていますね!もしかしたらAIはまだ令和のモテやファッションを確立できるほどのデータがないのかもしれません。

時代を超えて変わらないモテ、それは「思いやり」

最後の令和は少し微妙でしたが、時代の流れに沿って女性のモテの考え方やファッションが変わってきたことがよく分かりました。それぞれ全く異なるのに、どれも心惹かれるのが不思議……

すべての時代に共通するモテるファッションの要素が何かあるのか?最後にAIに聞いてみました。

時代を超えて変わらないモテるファッションの要素
・清潔感:どの時代でも清潔感のある身だしなみは重要です。
・思いやり:他人に対する思いやりや配慮は時代を超えて求められる資質です。

AIから「思いやり」という人間らしい言葉が出てくるとは……。

少し恐怖を覚えながらも、妙に納得してしまいました。思い返すと、自分がキャスター業をするときも、必ず番組や視聴者、共演者のことを配慮してファッションを考えているからです。

例えば番組テーマがビジネスについてであれば、オフィスカジュアルのようなかっちりとした服装。Z世代など若者向けの発信に重きを置いた週録では、エッジをきかせたファッション。スポンサーがついた放送回では、その企業のテーマカラーを身に着けます。また国際女性デーやウクライナの平和への願いが込められたカラーなども盛り込んでいたりしました。

上記のスタイルを全て手掛け、NewsPicksでもお世話になったスタイリストの吉田さんにポイントを聞いてみました。

NewsPicksでは「奥井さんを通じて新しいキャスター像をつくる」という大きな目標があったので、毎回番組のテーマに合わせて衣装の色や雰囲気を変えようという発想になっていきました。

スポンサー企業の方は収録に慣れてなく緊張してることが多い。奥井さんがコーポレートカラーを取り入れたファッションをし、それを挨拶時に伝えるだけで相手の緊張をほぐすことができます。

衣装を担当する時、ただオシャレな服や流行を取り入れた服を用意するのは簡単で、それはもはやスタイリストじゃなくてもブランドから直接提供してもらっても何も変わらないなと思います。

テーマに合わせた衣装を着用者とスタイリストが一緒になって考えてメディアに出て、その服装を出演者やスタッフが話題にしてくれたら、現場の雰囲気作りにおいてもとても良い効果があると思います。

kenichiyoshida_st

まさに「ファッションは思いやり」というか、一緒に番組を作る仲間や、見てくれている視聴者への思いやりが詰まったコメントですね……!

「モテ」という言葉に対しこれまでは意中の相手に迎合する、不特定多数に媚びを売るなどマイナスなイメージがありました。
だけど本当は周囲の人や社会を思いやる気持ちを表現したファッションが時代を超えて「モテる」と認識されていたのですね。

なぜAIは「ファッションとは思いやりです」と回答したのか?

ChatGPTから「ファッションとは思いやりです」という"人間"らしい言葉が出てきたのはなぜか?その背景の1つとして、OpenAIをけん引するのが若い世代の女性CTOだからということも少なからず影響している気がしています。

Mira Murati(ミラ・ムラティ)は、アルバニア生まれの技術者で、現OpenAIの最高技術責任者。OpenAIに参加する前は、Teslaで自動運転技術の開発を行っていた。

彼女はOpenAIのCTO(最高技術責任者)であり、AI技術の研究開発をリードしています。彼女は、AI技術を社会に安全かつ有益に展開することに強い関心を持っています。5月13日(米国時間)に発表したChatGPT4oの発表を踏まえた彼女が話すビジョンや目標は以下の通り:

哲学とビジョン

  • 倫理的AIの推進: ミラは、AI技術の倫理的側面に強く関心を持っており、AIが社会に及ぼす影響を慎重に考慮することを重要視しています。彼女は、AI技術が全ての人々に公平かつ倫理的に利益をもたらすよう努力しています。

  • 多様性と包括性: AI技術の開発には多様な視点が必要であり、これを実現するために多様性と包括性を推進しています。これにより、より幅広いユーザーに対して有益な技術を開発することを目指しています。

戦略と目標

  • 技術の民主化: AI技術の民主化を推進し、多くの人々がAI技術にアクセスできるようにすることを目指しています。これには、技術のオープン化や教育プログラムの展開が含まれます。

  • 社会的影響の考慮: AI技術が社会に及ぼす影響を慎重に評価し、技術が社会にポジティブな影響を与えるようにすることを目指しています。

ミラ・ムラティのリーダーシップ下では、AIが全ての人々にフェアかつ倫理的に使われるように強調されていました。その動向を見て私は彼女のビジョンや戦略に「優しさ」を感じました。

AIをより人間のように振る舞わせようとしていたり、音声入力の際のちょっとした「震え」等も感じ取れるようになっていたりと、ChatGPTが“ハート”を持っているかのようなAIになっているのです。

今後、AIがどのような発展を遂げていくのか。CTOやCEOの「優しさ」「思いやり」が反映されていると嬉しいなぁと思いつつ、またファッションを通じても、どんな「思いやりのモテ」が表現されていくのか、楽しみです。

構成:大竹初奈

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