野草食日記 240 ツルカノコソウの胡麻和え
3月初旬、お茶室の庭の手入れをそろそろ終えようかという頃、足元にある岩の淵に瑞々しい葉っぱを見つけました。
これ、何だっけ?!とよくよく見てみると、中に小さな蕾が、まるで巣ごもり卵のように隠れています。
ブロッコリーにも似ていますね。
確か去年の今頃、庭の裏手にある崖にへばりつくように生えていた植物の蕾がこんな風だったかも。
食べられない植物は基本名前の覚えが悪いので、なかなか思い出せません。
数日後、調べ物で甘糟幸子さんの「野草の料理」の目次をめくっているとき、「ツルカノコソウ」の文字が目に飛び込んできました。
あ、そうだ、あの植物はツルカノコソウだった!
と同時に、え?!食べられるの?!と。
この本によれば、ツルカノコソウは抜いても抜いても茂ってくる雑草で、高ぶった神経を鎮める作用があり、食べてもやわらかくておいしいということでした。
甘糟さんは実際茹でてお浸しにしたら、大しておいしいとは思わなかったようです。そこで、美味しさを補うためにくるみ和えや胡麻和えにするとよいと書かれています。
そうか、あまり美味しくない草なのね、とあまり期待もせずに次の手入れの時に庭から摘んで持ち帰り、茹でたものを一口、味見をしてみました。
感覚って人それぞれ。私はこれをおいしいと感じました。
まず食感と見た目は茹でたほうれん草にそっくりで柔らか。
少しだけ苦味があって、ほうれん草よりは小松菜に近い味なのかなという印象。
甘糟さんは、味がたいしてなくくせがない、と思われたようですが、私はこの草は無個性ではないと感じました。
まずは甘糟さんおすすめの胡麻和えで。
夫にも味見をしてもらったら、好評。
ほうれん草や小松菜よりもこれの方が好き、蕎麦と合わせて食べてみたいと言っていました。
強い植物のようなので、取り尽くす心配がなさそうなのもgood。
昨日撮影したお茶室の庭。
オオアラセイトウの紫が目に鮮やかです。
野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。