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野草食日記 266 ヤブツルアズキのお汁粉と王妃マリー・アントワネット

近くの緑地にヤブツルアズキの花を見つけたのは9月半ばのこと。

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ヤブツルアズキとは小豆の原種で、小粒ながら小豆と同じように食べられるといいます。

実をつけて、鞘が熟すのを待ち望んでいました。
そして10月末のある日。
たまたまこの日は、東京から来ていたSちゃんと、連れ立って緑地へ向かうこととなりました。

到着してみると、ありました、ありました。
小さな黒い鞘。

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弾けた鞘を見たSちゃん、どうしてこんな形になるのー!!と感嘆の声。
見てください、この見事な縦ロール。
その昔ハマった「ベルサイユのバラ」に登場する、王妃マリー・アントワネットの髪型が思わず頭をよぎりました。
なんか似てません?!

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多分乾燥した鞘が、このような縦ロールになる力を使って中の種を弾き飛ばし、子孫を残す、という作戦なのでしょうね。

後日、鞘が弾けないように袋の中に手を入れて種を取り出し、普通の小豆と大きさを比べてみました。

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かわいいでしょ?!
色と大きさが違うだけで、形はそっくり、親子のようです。

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ゴミを取り除き、水洗いをして早速炊いてみました。
炊いている時の香りは、小豆のお汁粉を作っている時と一緒です。
美味しゅうなれ、美味しゅうなれ!

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出来上がりはこんな感じ。
この写真を何も言わずに見せられたら、普通のお汁粉みたいじゃないですか?
でも入れた湯呑みもお豆も、どちらもミニサイズです。

味は、いつも食べているお汁粉と一緒。
でも豆が煮崩れないので、さっぱりしています。
小豆は煮ると柔らかく解れる感じですが、こちらは小粒で食感はシコシコとしています。
その歯応えが粒あん好きな私にとっては結構好みです。

食べた後、弾けたヤブツルアズキのお豆がいくつか床に散らばっているのを見つけました。
もちろん早速畑へ!
ヤブツルアズキ、来年、うちで収穫できるのをお楽しみに。

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。