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野草食日記 305 アカメガシワの茎茶

1. パイオニア植物

昨秋、裏山の斜面が市によって大規模に伐採されました。
折角刈ってもらったのに文句を言うわけじゃないんですが、その伐採方法たるや景観とか全くお構いなし。
どの木も一定の高さで、まるでおかっぱ頭の前髪のようにパッツーンとカットするものだから、ワサワサだった笹はさっぱりしたものの、窓から外を眺める度に「なんだかねぇ・・・」とため息が出る始末。

年が明けて春になり再び笹や木の新芽が出て・・・今は夏。
再び一面の緑。

うちの2階から撮影
アズマネザサの大群やカラムシとか
カラスウリも木に絡みつく
緑色の実がもう成っている

ところで、パイオニア植物という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
伐採や土砂崩れの後に、他の植物よりいち早く発芽成長する植物のことです。
土壌の中で眠っていた種が、日光や熱の刺激に反応して発芽するのだそうです。
6月のワークショップで佃煮にしたクサギはパイオニア植物です。

そしてタイトルのアカメガシワ。
これもパイオニア植物のひとつです。
4月のなな艸の会では新芽を天ぷらにし、そのほっくりとした歯応えと風味が、参加者の皆さんにとても好評だった木です。

伐採された斜面のあちこちにアカメガシワの木が生え始めています。
このまま放っておいたら、沢山のアカメガシワが大木になって大変なことになりそう・・・。

赤い矢印の大きな木の方は元からあったアカメガシワの大木。
幹がパッツンとカットされたあと葉がモリモリと生えて
樹姿がまぁるくなっている。
小さい木は多分この木の子供。
これ以外にもあっちこっちに若木が育っている。

2. アカメガシワは〇〇にいいらしい


先日薬草魔女Sさんの家で野草茶の可能性をひしひしと感じ、ならば裏庭のアカメガシワをお茶の材料にしようと思い立ちました。


葉っぱは他に使いたいので、枝と分けて天日干しにしました。
2日ほど太陽に当て、すっかり乾いたところをチョキチョキ鋏でカット。
まずはそのまま熱湯で煎じてみました。
薄茶色をしていてほんのりですが甘みを感じます。
もともと野草茶にモチベーションのあまりない私でも、まあまあ飲みやすいと思える味でした。
味の方向性としては、薬草チックな薄いほうじ茶という感じかな?!

アカメガシワをお茶にしようと思ったきっかけは、単に裏庭に豊富にあったためばかりでなく、私が胃が弱い性質だからという理由もありました。
アカメガシワには胃酸過多、胃潰瘍などの胃の不調に対し効能があり、市販の各種胃薬にも配合されています。
葉にも胃腸を整える働きがあるということですが、特に樹皮の部分にはペルゲニンという苦味成分が含まれ、健胃効果があるそうです。

文献によっては癌にも効果があるという記述も見られます。
まぁ、これは賛否両論分かれるところではあります。
更なる研究を期待したいですね。

そのまま飲んで飲めないことはない味ではあるけれど、できればより美味しく飲めたら嬉しい。
今、アカメガシワと色々な植物をブレンドして何と合うのか試しています。
三年番茶はしっくり合いました。
ホーリーバジルとも違和感なし。
いつも野草観察会でお出ししているハーブティーとのブレンドも中々美味しかったです。
アカメガシワ、案外守備範囲が広そうですよ。

この日は煎じ液でホーリーバジルティーを淹れてみた
全く違和感なし

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。