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野草食日記 161 スイバとギシギシの見分け方

今年の春、地元の植物好きKさんからはじめてスイバの葉を教えてもらいました。
噛み締めると爽やかな酸味。
ジャムにしたら美味しかったのですが、いかんせん、自分1人ではどれがスイバの葉なのか見分けがつきません。
それはスイバと似ているギシギシという植物があるから。
教えてもらったスポット以外に似たような葉を見つけても、噛むと味が違う。
Kさんはいったい何を見てスイバを見分けていたのでしょうか?!

スイバとギシギシを味見をせずに見分けられるようになること、これがこの冬のミッションでした。

甘糟幸子さんの「野草の料理」という本には、「ギシギシはひと言でいえばスイバを大きく、青くしたようなものです。」と書いてあります。
花穂もギシギシは緑一色、スイバは赤いと色々な本に書いてあり、その状態のものはあちこちで見かけるけれど、花穂が立つ頃には葉はすでに固くなっているでしょうし。
葉っぱだけの時に確実に見分ける方法はないものか・・・。

11月に山菜の検定試験 中級を受験しました。
テキストにはギシギシは緑一色でスイバは所々赤みを帯びる、ギシギシは葉柄が短くスイバは長いと書いてありました。

実はお茶室の庭で見たギシギシ (齧ったらスイバの味がしなかった) は冬場寒さで赤みを帯びていました。(下の写真は紅葉したギシギシの葉)

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それに、葉柄の長短は少しわかりづらいので、先生にもう少し粘ってお聞きしてみました。
するとスイバの葉は矢じりの形、ギシギシは細長い楕円形といいます。

11月も半ばになるとお茶室の庭でもギシギシが目立つようになったので、そろそろスイバも?!と早速先週、野で矢じりの形、細長い楕円形を探してみます。

あったあった!

齧ってみると・・・矢じりの形のには爽やかな酸味がありました。

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これがスイバ。葉っぱの下の方が2箇所尖っていて矢じりの形ですね!
大きさも様々。

後日、近くの公園の植物めぐりに参加した時のことです。
先生に「スイバはどんなところに生えているんですか?!」と質問すると、「藪を切り開いた斜面とかによく生えるんだよね〜。」と言いながら生息していそうな場所に案内してくれました。
そして、近くで葉っぱを確認しなくても遠目で、「あれはスイバ、それであれはギシギシね。」とすぐ判るのです。

「先生、なんで遠くで見て判るんですか?!」と聞くと、
「慣れればそんなのわかるよ〜。」と言うのです。
え〜、凄い!!

それでも先生の言うのを遠くで一緒に眺めていると、ギシギシは幅広で大きくて葉の端がビロンビロンと波打つような感じなのです。
なるほど〜。

甘糟さんの本に「紅色がかったスイバがどこか優美で、女性的なのにくらべ、ギシギシは武骨に、たくましい感じがいたします。」とあったのはこう言うことだったのですね。ガッテンです。

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左のグループがスイバ、右のグループがギシギシです。  
一番左側の白いのは大きさを見るためのポケットティッシュ。

スイバもギシギシも大小様々ですが、やはりギシギシの方が一回り大きめで波打ちが顕著ですね。
ギシギシの紅葉は斑点状ですが、スイバの紅葉は均一で滑らかな感じ。
こうやって見比べてみると面白い!

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。