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野草食日記 199 ウコギ科の山菜 ハリギリがうちの庭に生えていた話

2020年、まだ寒いある日のこと、裏庭の斜面にはびこる笹を整理していたとき、藪の中から直径10cmくらいの枯れ木が現れました。
幹には鋭いトゲがいっぱい。
先端恐怖症の私にとっては、とにかく怖い!の一言。
それからはあまり近寄らないようにしていました。

4月になって、ふと2階の窓からその木を目にすると、え?!葉っぱが出ている!
ヤツデより少し小さい、手のひらのような形。
あの木は何だろう?!

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先週、お茶室の庭仕事に行きました。
数寄屋造りの建物の前に苔むした石を配した植え込みがあります。
その一角に以前にはなかった可愛らしい葉っぱが育ち始めていました。
スダジイの大木のすぐ下のあたり。
きっと鳥がどこからか種を運んできたのでしょう。

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これ、可愛いから残しておきましょうと話をして、念のために写真を撮り、いつものように名前をSNSで質問しておきました。

帰ってきた答えは、「ハリギリ」。
たらの芽と同じウコギ科の山菜で、去年から出会いたいと切望していた木だったのです。

実は、うちの近くの公園にハリギリの木があることを、公園管理をしている人から聞いていました。
見に行きたいと思いつつもタイミングが図れずにいたのでした。

ハリギリは漢字で書くと「針桐」。
幹にトゲがあるということをぼんやりとながら認識していて。

そこで、ハッと気づきました。
うちのあの木はハリギリの木であることに。
トゲがあって、手のひらのような葉の形。

翌日、裏庭の斜面に登り、ようやく手が届くぐらいの高さの枝を一本切り落としました。

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こっちの方がずっと大きいけれど、形はお茶室のと同じです。

山菜として料理するならば、芽が出たばかりのものがきっと良いのでしょうが、その夜は天ぷらでお味見です。
パリパリサクサクで美味しかったけど、一枚ペラなので香りの感じ方は弱いかな?!
きっと新芽の方が濃厚な風味を味わえるかもしれません。

翌日は茹でて胡麻和えに。
少し硬めでしたが、ほろ苦さと香りは「ザ・山菜」。
来年の春が今から楽しみです。

お茶室のあの葉っぱ、小さい株ながら。写真をよく見るとトゲがあります。
せっかく育ったのに残念だけど間引かなくてはですね。
うまくいけばですが、うちの庭に移植の方向も考えようかな。

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。