野草食日記 241 キキョウの根っこのキムチ
一昨年の年末に、韓国食材店から取り寄せたキキョウの根の乾物、トラジ。
以前は本の作り方通り、茹で戻してナムルを作ったところ、苦味が残って更に食感も柔らかくなりすぎて今ひとつな印象でした。
それ以来ずっと手付かずで、収納ボックスの中で眠っていたのですよね。
初めてトラジを食べたのは、由比ヶ浜にあった韓国料理を提供するカフェで、そこのは全く苦くなく、コリコリした食感がゴボウのようで美味しかったです。
先月韓国の調味料を取り寄せようとネットを見ていると、トラジのキムチというのを偶然目にしました。
へぇぇ、キムチにもできるんだ!
うちにキムチの素はある。トラジもある。
これは作らねばでしょうと、再びやる気に火がつきました。
そうは言っても、気になるのはあの苦味。
なんとかならないのかと調べてみると、米の研ぎ汁で戻してから塩揉みすると苦味が抜けると書かれているサイトを見つけました。
書かれているとおりに3時間ちょっと研ぎ汁に浸けて塩揉みをしたら、本当に苦味が抜けています。やった!
しかも茹でて戻す方法だと柔らかくなってしまうけれど、これだとコリコリした食感がしっかり保たれます。
以前の本のレシピもこの下処理だったら美味しくできたのかもしれません。
上記のエスニック料理ブログのナムルは赤くてキムチっぽいです。
材料を見るとコチュジャンや酢を使っています。
他のトラジキムチのレシピも当たってみると、どれも酢を使っているので、私もそれに倣いキムチの素に酢を追加し、更にコチュジャン、自家製甘酒、ネギ、白ごまも加えてみました。
キムチの素をそのまま使うのではなく、調味料のひとつとして味付けに使うのも料理の幅が広がり面白いと思います。
できたキムチはこんな感じです。
以前は箸を伸ばさなかった夫も、アレある?!とリクエストするので、出来栄えは上々だと思います。
キキョウの根は中国最古の薬物書「神農本草経」で下品に分類されています。
上品は滋養強壮作用があり無毒で長期服用が可能な生薬、中品は病気や治療に効果があるが使い方によっては毒にもなる生薬、下品は病気を治す力は強いが毒性もあるので長期服用は良くない生薬、ということです。
そのような意味でも、苦味をしっかり抜いて食べることは大切なのでしょう。
下のサイトにキキョウの根について詳しく、またトラジの記載もあるので、興味のある方は読んでみて下さいね。
野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。