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野草食日記

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身近な野草をどんな風にして食べているかの記録。 地域で採れた食材を使った保存食作りなども載せています。
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2020年3月の記事一覧

野草食日記 188  カンゾウとセロリのナンプラー炒め

昨年出会ったカンゾウの葉は酢味噌和えが美味しく、収穫できるといつも同じメニューで通してきました。 これが美味しい!となると、ずっと作り続けるタイプなのです。 でも、そろそろ酢味噌和えにも飽きてきたので、最近は炒める料理法を試しています。5日前はキャベツ、ベーコンと合わせてスープパスタにしたら、優しlい味わいで美味しかった。 そして一昨日はそろそろ使い切らなければいけないセロリがあったので、一緒に炒め合わせてとナンプラー味でまとめることにしました。 作り方は、いたってシンプ

野草食日記 187  スギナ入りピーナツふくれ菓子と骨粗しょう症

我が家の庭に、今年もスギナが顔を出しました。 家のすぐ脇、南西側の庭に、なぜかつくしは生えないのですが、スギナだけはちょこちょこ生えてくるんです。 今、そこには種から育てた春菊が植わっていて合間からスギナが顔を覗かせるので、それを一本一本間引きました。 そのスギナ を使って九州のお母さんの味「ふくれ菓子」を作ることにしました。 一昨年、オーブンが壊れてから新しいものは購入していないため、蒸し器で作れるこの蒸しパンは粉物が食べたいときの私の格好のおやつとなっています。 作

野草食日記 186  ヤブレガサの新芽が出てきました

昨年秋にヤブレガサを確認した場所に、とうとう新芽が出てきました。 ヤブレガサは山菜の検定試験テキストにも載っていて、とても楽しみにしていたんです。 手持ちの本によると「キド味」があると書かれていました。 キド味って初めて聞く言葉です。 庄内のめぐみ屋というサイトには 山菜の味は大別して、キド味のあるもの、苦味のあるもの、酸っぱいもの、ぬめりのあるものなどに分けられます。料理法もそれに従ってほぼ決まってきます。 キド味は、「山菜用語」と言ってもよいほどで、特有のアク味、

野草食日記 185  noteを始めて1年経ちました

昨年の3月20日、野草と野草料理の記録をつけるためにnote を始めました。 野草の名前と形を一致させるところから始まって、情報をあたり、実際に味を確認し、料理は主婦歴25年の感だけが頼り。 野草の数は無数にあるので、腰を据えて一種類の野草にじっくり向き合う余裕はなかったように思います。 写真は撮ったものの投稿できずに過去に流れてしまい、後から見返して、これは何を作ったんだっけ?!という料理も1つや2つではありませんでした。 そんな試行錯誤をするうちに、手作りや自然と共生

野草食日記 184  庭に山菜のキランソウが生えていた

2月ごろ、庭の一角に地面に張り付くようにして生えている植物を見つけました。 何だろう?! 引越しの度に植え替えては持ってきた、ジュウニヒトエ (アジュガレプタンス) に似ているのですが・・・。 ジュウニヒトエは中心部分が立ち上がっていますし、葉の色も違います。 特徴的なのはこの植物の葉脈が赤紫色をしていることでした。 これがジュウニヒトエ(アジュガレプタンス)。春にタワー状の青い花が咲き、葉脈は赤紫ではない。 しばらく名前不詳の時期が続きましたが、ある日突然閃いたのです。

野草食日記 183  ハルジオンの新芽は柔らかかった

これまで、ハルジオンの葉っぱは香りは良いけれど、ギシギシとした歯触りがちょっと・・・と何度か書いてきました。 昨年の春は根生葉の状態で見分けがつかず、花芽が伸びてきたタイミングで採取していました。 でも今年は葉の形で見分けがつくので、まだふわふわ産毛があって見るからに柔らかそうな中心部分を摘んで茹でてみたんです。 そしたら「ハルジオン、歯触りが悪いなんて言ってごめんよ〜。」というくらい柔らかく食べやすい。 摘みどきってあるんですね。 なんでもドクダミ も出始めの葉が美味しい

野草食日記 182  土筆とノビルのチヂミ

近くの里山で「もう土筆が出始めているよ〜!」と連絡をもらったのが、3月の第1週。 昨年3月15日に土筆摘みをしたとき、そろそろ終盤に差し掛かっていた記憶があるので、それを考慮しても1週間は早いんじゃないかなと思います。 第2週の月曜日、私も山に摘みに行きました。 実は土筆ってそれほど好きではないんです。 改めてその理由を考えてみると、先端の部分が少し開き加減のものを噛むと、中からもわっと胞子が出てくるじゃないですか。 多分あの感じが苦手なんだなと思い、まだ出始めの先っぽが固

野草食日記 181  アオキの蕾の味噌マヨネーズ和え

2年ほど前の春だったと思います。 アオキの蕾が食べられると何かで見て、天ぷらで食してみたことがありました。 まだ花茎が伸び始める前の丸く玉のような蕾です。 甘味、旨味はそう感じられないものの、ほろ苦さとアスパラのような食感がなかなか美味しかった。 蕾はあっという間に茎を伸ばして花が咲いてしまい、採取できる時期は短いのだなぁとその時思ったものでした。 昨年は他の野草に目を奪われているうちに、食べるタイミングを逃してしまいました。 保全活動で山の手入れをしていると、増えて困

野草食日記 180  腱鞘炎にならないマーマレードの作り方

お庭で採れた橙の実を分けていただきました。 農薬がかかっていない柑橘が手に入ったときには、大抵マーマレードを作ることにしています。 マーマレード、大好きなんです。 食べるのも、煮ているときに家中に充満する素晴らしい香りも! 春に肝の気が上がりやすい私のような体質には、気の巡りを促す香りのある食べもの、例えばシソやセロリ 、ミントなどが薬膳的に良いと言われます。 柑橘類もそのひとつ。 春の初めのこの時期に、色々な柑橘類が成るのは神の采配とまで思えます。 20年位前に初めてマ

野草食日記 180  ニワトコの葉を料理してみる

うちの横の空き地に生えている一本の木。 去年、それがニワトコの木であることを知りました。 食べられるようだと知った時にはすでに季節が進んでしまい、今年はタイミングを外さず食してみようと楽しみにしていたんです。 まだ葉と花芽が出始めの頃を収穫。 まずは定番の天ぷらで、2回目採取の時は酢味噌和えに。 天ぷらはそのまま衣をつけて揚げました。 葉の甘味を感じてとても美味しかったです。 酢味噌和えは、花芽も一緒に湯がいてからアク抜きをしました。 茎の部分も柔らかく、食感としては

野草食日記 179 オヤブジラミのオムレット・フロマージュ

息子がまだ小さな男の子だった頃、多分NHKの子ども番組 (人形劇か漫画) に出てきた登場人物の真似をし始めました。 「オムレット・フロマージュ♡」 日本語的ではなく、抑揚のある発音。 レとマのところにアクセントをつけて、 「オムレットゥ・フロマ〜〜ジュ♡」 小さな男の子がそんな風に言っている姿は、思わず微笑んでしまうくらい可愛らしかったです。 ♡マークが付いているのは、「なんかすごく美味しそうだよね」という息子の気持ちのが伝わってくるから。 きっと、テレビに出てきたその

野草食日記 178 ウドと八朔の酢の物

子供の頃、母が作ってくれた料理で好きなものは色々ありましたが、ウドと八朔の酢の物もそのひとつ。 のちに聞いてみたら、この組み合わせは母のオリジナルだったのだそうです。 オリジナルであろうとなかろうと子供の頃の刷り込みって強力です。 パブロフの犬のようにウドを見れば八朔!と即、私の脳は反応します。 で、今年も。 今回は野菜室にあった紅い大根も合わせて、トッピングにピスタチオナッツを散らしてみました。 大根は違和感なかったけれど、ピスタチオの個性がすこし弱いかな。 塩気のない

野草食日記 177 椿の花の中医学 その2

椿の中医学 その1 はこちらです。 ************************************ さて、送っていただいた資料が載っている「中薬大辞典」、これは一体どういう本なのでしょうか? 気になるので調べてみました。 中薬大辞典とは、上海科学技術出版社より第一版が1970年代後半に編纂され香港、台湾でも出版され、その後版権を海外に移して韓国語版、日本語版も出版された中薬関係のベストセラーのひとつなんだそうです。 椿の薬効は、様々な出典ごとの記載と共にま

野草食日記 176  椿の花の中医学 その1

椿の花の栄養について色々なサイトを調べているときに、日本健康素材株式会社のサイト内にこのような記述を見つけました。 中国でも古来より椿の花を薬用として用いてきた歴史があります。 中薬大辞典には「山茶花(さんちゃか)」の名で収載されており、涼血止血、散瘀消腫、清肝潤肺などの効能の記載があることから、血流関係の疾患に用いられてきたことがわかります。 私は30代の頃、春先になると身体の中の気が上昇することが原因で、頭がのぼせるのと同時に肩や首の凝りが酷くなり、とても辛い時期があ