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「とにかく書け」とおっしゃるので

10年ぐらい前だと思うのだけど、Stephen KingのTwitter アカウントを見つけて、フォローしていたら「とにかく書け。俺は何があっても毎日1000字書いてるぞ」的なツイートをしてて、(2000字だったかも)大作家でも、毎日書くのだなぁとすごく感心したことがあった。

それ以来、えんぴつとノートで暮らしたいのなら、書くべき原稿とかがなくても、とにかく毎日、何か書かなきゃと思っていた。

ところが、ハワイに来たら「書きたい気持ち」がほとんど湧き出でなくなってしまった。順番としては、まず本が読めなくなった。理由は不明だけど、もしかしたら更年期のうつ的なものだったのかもしれない。日本や仕事を離れたグリーフだったかもしれないし、震災のショックだったかもしれないし、移住のあれこれでストレスがむちゃかかってたのかもだし、英語の本を読むべきでしょ、と何かが言い続けてて日本語の本に罪悪感を抱いてたのかもしれない。そもそも、「これ面白そう!」と思える本を見つけたり入手するのが困難だったというのもある。

で、数日前に急に「あ、書きたい感じかも」となって書いてるんだけど、「書く」に先立って「読む」が必要だったんだなぁとも思い返している。

コロナの影響で、日本語でzoomでの読書会に参加する機会が増えた。これが、すごく楽しい。読んではしゃべり、しゃべっては読み。「読む」っていうのはある程度の速度でズンズンと読むのが心地よい。英文で時々辞書見たり(Kindle上でタッチするだけでも)しながら読んだり、えっとこれはなんだっけみたいに読むってのは、切れ切れで楽しくはないのだねぇ。

も一つ大事なのはメガネだった。
老眼と乱視が進んでて、相当、見えにくくなってたのだ。見えないわけじゃないけど、見ることに脳がむっちゃエネルギー使っていたのだと思う。

たまたま知り合ったいのちグラスのめがねや風水さんに「本がどんどん読めるメガネ」とお願いして、作ってもらった。これを使い始めて以来、読書量が以前に戻った…いや、以前よりずっと増えてるかも。

そんなわけで、なんか面白い本、無いかなぁとカカアコ・エリアのワードセンターのVillage Books & Music at wardをぶらぶらしてて見つけたのが写真のスティーブン・キングの本。古本で75セントだった。(表紙には1ドルの値札が貼ってあるけど)

初めのところは自分の幼少期からこれまでについて、面白おかしく書いてある。ぶっとんだお兄ちゃんと、結構、とんでもない人生を歩んでいる。後半は、どうやったらいい小説が書けるか、ということについて、どんなセッティングで書くか、どれくらい書くか、どんな言葉づかいをするか、途中、課題もあったりしながら(ここに送れば場合によってはちゃんと読むよ的なメアド付き)進む。読み物としても楽しい。

そう。この中でも書いてあった。毎日、書いている。インタビュアーにはクリスマスと独立記念日ともうひとつ何か、イースターだったかな? の日は休むけど、それ以外は書いていると答えている、と。そんで、実はこの3日間も書いているんだとも。具体的には9時から12時まで3時間、2000字。最近は12時よりもかかるようになって2時か3時ごろまで、とにかく2000字。

子育て時代、内田樹センセのアイロンをかけている、という話にもとても励まされたのだけど、スティーヴン・キングの毎日2000字書いているという話にもなんだか、がんばろ、っていう気分になる。


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