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ここで働く意味

何のために今の会社で働いているのか、よく分からなくなるときがある。

無論、「食うため」である。

しかし、私が働いている会社では、ことあるごとに「お客様のため!」だの「世の中に価値を!」だの、熱い言葉が飛び交っている。

私は直接お客様と接する立場ではない。契約書や請求書や納品書たちと格闘し、営業から上がってきた字の汚い資料とバトルを繰り返す日々だ。自分の仕事の先にお客様がいるのだよ、と言われて理解はできるが、やはり実感がない。「お客様のため、世のため」に働けと言われても。

そして、事務方に対する扱いが冷たい。社内イベントに事務方は呼ばれない。会社としてやっているのに、なぜか呼ばれない。「そういうの面倒くさいですけど」ガールズの集まりと思われているんだろうか。否めない。

そんな熱くて冷たい会社で、新卒で入社してから働いている。同期は半分以下の人数になった。残業を強制するとか、ハラスメントがあるとかではないので、ブラック企業だとは思わない。が、合う合わないが激しい会社だと思う。

どんどん同期が去っていく中、なんでここにいるんだろうと考える。辞めたいと、半年に一回は考えているのに、辞めずにいる。単に転職活動が面倒なのもあるけど、それだけじゃないんだよな、と何となく引っかかる。

で、先日それが判明した。

私は入社当初は営業職だったが、心身を見事に壊して事務方に移動になった。だから、営業には未練がある。メンタルがもっと強ければ続けられたのにと、移動して結構経った今でも考えてしまう。

その憧れの営業チームで、同期の残党(・・・?)が頑張っている。一番尊敬する先輩が先頭に立って走り続けている。彼らはまさに、世のため人のために、を体現している(と、私の目には映っている)。

彼らに憧れ、彼らと一緒に働いていたいのだ。裏方として助けになりたいのだ。

それが分かったのは、営業チームの先輩から「あなたの対応が頼りになる」と言ってもらえたことがきっかけだった。そう思われているとは考えもしなかったし、普段は鬼の形相で営業に文句を言っている自覚があるので、嫌われているとさえ思っていた。

私は、憧れている、大好きな人たちの役に立っている。

それだけでいい。他に望まなくていい。と思えた。

会社からの扱いが冷たかろうが、私の仕事は私が大好きな人たちの役に立っている。そしてその人たちは、お客様に最高のサービスをする。世の中の役に立っている。

一緒に働きたいと思える人たちの存在は、でかい。

どうせ、また辞めたいと考える日がくる。が、きっと辞めないでいそうだ。

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