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映画「四月になれば彼女は」

意地悪なようだが、映画を観終わっても答えは見つからない

本作品は、川村元気さんによる同名ベストセラー小説を、佐藤健くん、長澤まさみちゃん、森七菜ちゃんの共演で映画化したラブストーリー。初日舞台挨拶付のライブビューイングを旅先の東京の映画館で鑑賞。

川村元気さんといえば、「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」など名だたる大ヒット映画を企画・プロデュースした敏腕映画プロデューサーとして有名ですが、私が彼のことを深く知ったのは、菅田将暉くんと原田美枝子さん主演の映画「百花」の時です。それまでプロデューサーだと認識していた川村さんが、小説家でもあると知り、また初めての長編映画監督に挑戦するというので、かなり前のめりで劇場に足を運んだのを覚えています。目的はもちろん菅田将暉くんでしたが🙄
映画「百花」を初めて観た感想は、「???」でした。私の感性が乏しかったのか、理解力が足りなかったのかと、心を入れ替え、下調べをしてもう一度鑑賞した時に、考えを改めました。

この方の書かれた作品は、すっきりすることを目的に作られていないと…。そしてその感想は、この映画を観た感想とも繋がります。

「人を愛するとは?」

世の中には愛に対するたくさんの名言が溢れています。

愛はお互いに見つめ合うことではなく、
共に同じ方向を見つめることである。
サン=テグジュペリ

愛の反対は憎しみではなく無関心である。
マザーテレサ

あの人が私を愛してから、
自分が自分にとってどれほど価値あるものになったことだろう。
ゲーテ

etc...

そしてこの原作本にもこの映画の中にも、愛に対する名言が溢れています。

恋は風邪と似ている。風邪のウイルスはいつの間にか体を冒し、気づいたら発熱している。だがときが経つにつれ、その熱は失われていく。熱があったことが嘘のように思える日がやってくる。
誰にでも避けがたく、その瞬間は訪れる。

人は必ず死ぬ。“けれども”、生き続ける。いつか死ぬとわかっていても生きる。
恋愛もだ。恋愛もいつかは終わりを告げる。“けれども”、人は人に恋をする。

でも僕、思うんです。人は誰のことも愛せないと気づいたときに、孤独になるんだと思う。それって自分を愛していないってことだから。

etc...

そしてそのどれもが正解で、どれもが不正解だとこの映画は教えてくれる。


じゃあなぜ生きるのか?
じゃあなぜ恋をするのか?


意地悪なようだが、この映画を観終わっても答えは見つからないよ!!

だからこそ、まるで霧の中のようなモヤモヤとした余韻の中にいる。「これでいいよ」と言ってもらえない課題をいつまでも解かされている気がしてなんだか居心地が悪い。

そういうことを噛み締めるように考えるのがお好きな方には、この映画はオススメです♪

“天空の鏡”と呼ばれるウユニ塩湖の映像は必見です!やはりこの方の作る作品の映像は美しくエモーショナルでございます。

2024/日本 108分 G
配給:東宝
公開:2024/3/22

★★★★☆(星3.5)
2024/3/22  新宿ピカデリー

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