指定席を自由席化した問題について考える

7月1日ノエビアスタジアム神戸で行われた試合のビジター席で起こった件について、見聞きしたことと公式発表から考えをまとめてみました。


事実

①イニエスタのJラスト試合
②ビジター席は指定席
③一部サポーターによって指定席が自由席として扱われた
④自分の座席に座れない人がいた

事実と見聞きしたことから推測する状況

①イニエスタのJリーグでの最後の姿を見ようと多くの人が見に来ました。コンサポの中にも、「イニエスタ見たい」から参戦した人もいるのでは?
イニエスタの最後の試合がこの試合になると発表されすぐにいろいろな区画の座席が売り切れました。残るのはビジター席のみ。そのため、コンサポではないイニエスタ見たさの客が少なからずこの座席を購入してしまいました。そしてチケットは完売。
基本、ビジター席はアウェイサポーター(今回はコンサポ)のための席であり、神戸サポーターやイニエスタ見たさの客は本来は入らない座席となっています。
ですが、ビジター席にコンサポ以外が入ってしまいました。

②この試合は指定席としてビジター席は販売されていました。チケット購入者の座席は決まっているということです。

③④上記①②の理由から本来コンサポの応援地帯であるところに神戸側の客が入り込んだことで、一部サポーター(中心部の人たち)が「応援に支障が出る」「トラブル防止」のため、座席を移ってもらう・まだ空席の座席を詰めるという動きに出たようです。声をかけて席を移動した人には害はなかったでしょうが、まだ席についていなかった人が来てみたら席が違う人に使われていたという状況が生まれたのでしょう。
この動きに対して神戸運営はやむを得なく緩衝帯に座席を広げ、座席がなくなった人たちのために座席を用意しました。


問題点

この件で問題となるのは
・ビジター席にコンサポ以外がいること
・サポーターが指定席を自由席として使用したこと
この2点です。

一つ目の問題点は明らかに神戸側のミスでしょう。上記の①に載せていますが、ビジター席の説明には「ビジターサポーターの応援席です。」と明記してあります。ここに神戸サポやイニエスタ見たさの客を入れてしまったのはトラブル(一般的なこと)の元です。イニエスタのグッズを身に付けていたなんて話もあるので、この管理はしっかりとしてほしいところ。
この件について神戸側が何も触れていないのは気になります。

二つ目が今回大きな問題となっています。
自由席も指定席も自分の座席があることは変わりませんが、指定席は「席の位置が決められ確保されていること」が自由席と大きく違うところです。その座席が他者に無断で使用されていました。購入者はお金を払ってその権利を購入しているわけで、その席の権利は購入者にあるはずです。(進次郎構文みたいだな)運営が席を移動する合理的な理由を提示しない限り、権利は購入者のものだと思われます。そしてサポーターにそれをどうこうできる権限は一切ありません。サポーターは運営ではないのです。

さらに言えば、自分の席で観戦するというのは観戦ルール・マナーで明記されています。

これに則って応援する必要があります。
で、アウェイで問題を起こすとアウェイチームが処分されます。これは浦和の件が分かりやすいので紹介します。

何が言いたいかというと、運営はサポーターにルールを守らせる責任があります。それができないとリーグから処分されるので。
そしてサポーターにはルールを守って応援する責任があります。守らなければクラブから処分されます。

ルールに則って運営する・応援する・観戦するということが大前提としてあります。それを差し置いて何かをするということはできないのです。
今回は、「ゴール裏の一体感」「熱量」「今までの行動」など、ふわっとした感覚でこの問題に対してものを言う人がいましたが、その応援はルールの中で行わなければならないものであり、ルールに優先するものではないのです。


責任の取り方

運営にもサポーターにも責任があると書きましたが、指定席という金銭が絡む問題を起こしてしまった以上、責任を取る必要があると思っています。
クラブ(コンサドーレ)は、指定席を自由席化した「一部サポーター」に処分を科す責任があるでしょうし、「一部サポーター」は観戦自粛など取れる範囲で迷惑を被った方に伝わるよう行動を取る必要があるように思います。

福岡戦でリーダーが謝罪したというのを目にしましたが、ちゃんと被害者に伝わるのかや内輪で謝罪して終わっていい話なのか疑問は残ります。
クラブの方もどのように責任を取るのか明確ではないように感じます。被害者に対して何か行動したのでしょうか。

企業のトラブルに対する姿勢は昨今厳しく見られています。サッカーという全世界に通じるスポーツに関わる仕事、北海道という地域を代表するチームという責任を負うつもりなら、このようなトラブルには厳しく対応できなければなりません。スポンサーにも影響が出かねませんしね。
今回の件では、リーダーが謝罪という行動をしているのに対して、クラブの動きが見えません。クラブの対応は身内に甘いと捉えられても仕方がないと感じています。

処分が必要だと思うのは、それによって区切りがつくからです。「この問題に対してはこのようにしましたよ」と示すことで、被害にあった人もある程度納得できるでしょうし、やってしまった側も問題に対してけじめがつけられます。周囲の人たちもわだかまりなく受け入れられると思うのですが、どうでしょう?
あとは、クラブが責任を負うとありましたが、処分を行わないことで「またクラブが責任を負ってくれるから、やってしまおう」と考えるやつがいてもおかしくありません(実際にはいないでしょうが)ですので、今後の抑止のためにも必要だと思うのです。



蛇足

私は06年からゴール裏に生息していました。ゴール裏の隅っこから中心部まで経験はしたつもりです。
ゴール裏の雰囲気も好きですしアウェイでのあの何とも言えない一体感も大好きです。
何年だか忘れましたが(まだUSがアウェイに出張る前でした。)お盆の時期に行ったアウェイ愛媛戦は強烈でした。時期が時期だけに何十人しかいない、しかもめちゃくちゃ暑い。それが初アウェイではないですが、リードする人のほぼ真後ろ、太鼓の人もすぐ近くというど真ん中で飛び跳ねたのを覚えています。暑かったし熱かった。
年一くらいしかアウェイには行けてませんが、あの試合からアウェイの楽しさを感じ、行き始めたのだと思います。ホームはほぼ行ってます。
だから、熱さとか一体感とか雰囲気づくりとか、中心部の人たちが頑張っているのは知っているし感謝もしています。
しかし、今回のような問題に対して、それらは無関係なのです。

今後、コンサドーレを応援したい人がさらに集まって熱い応援のできるゴール裏になればいいなと思っていますし、そういう思いの人は増えてくるでしょう。
それをまとめられるのは現時点ではリーダーしかいないのも確かです。(これも大問題かも)だからこそ、彼ら中心部の人たちにはゴール裏を背負う責任を感じてほしいなと思っています。

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