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再開幕を待ちながら、今季のJリーグについて思うこと。

突然ですが、私はJリーグの試合を観に行くことが好きです。

と言うとほぼたいていの確率で、「どのチームが好きなんですか?」と聞かれます。そしていつも回答に困って、ああ気安くJリーグの試合を観に行くことが好きですなんていうんじゃなかった、と軽く後悔することがあります。そしてたいてい、実家のある今治の地元チームであるFC今治のことを引き合いに出して、何となく煙に巻いてみたりなど。聞いて来た相手がコアサポであることは稀なので、「今季から昇格したのに、Jリーグサポなんておかしいじゃないか」なんてイジワルなツッコミを受けることはありません。FC今治は地元でもあるし応援もしているけれど、そこまで特別に贔屓にするチームはなく、気が向けば、ホームだろうがアウェイだろうがどこへでも出かけます。サッカーが特別好きな訳でも、思い入れのある選手がいるわけでもなく、あえていえば、お気に入りのレフェリーが居るくらいでしょうか。

前置きはさておくとして、今季も2月22日のフライデーナイトに華々しく開幕をしたJリーグは、J1の第1節から激しい戦いを繰り広げました。私自身は直後にとある試験を控えていたので行くつもりはありませんでしたが、神様みたいな人の、天の思し召しかと思われるような素晴らしい計らいがあり、満席完売御礼だった日立台で柏レイソルvsコンサドーレ札幌戦を拝むことができました。僅か1シーズンでJ1に返り咲いた柏と対する札幌の試合は、今シーズンのゲームのテーマである、「激しくて、フェアで、エキサイティング」を地で行くような、まさに魅力的な試合でした。そして試合を司る主審は、私の尊敬して止まない家本政明主審でした。今シーズンのスタンダードと言っても過言ではないトップレフェリーのレフェリングをしょっぱなから拝めて、幸先の良いスタートとなる…はずでした。

雲行きは急にあやしくなり、あれよあれよと言う間に翌週のルヴァン・カップが延期になりました。コロナ禍によりあっという間に予定が変わり、次に試合がのぞめるのが3週間も先の3月18日になりました。なんと言うことか…。そしてその頃、ふと一言。

これをつぶやいた頃は、ツイートしつつもまだ実感は沸いていませんでした。本当に、これを実感する日々が来ようとは、まだ思っても見ませんでした。

そうして今、2度の開催日程見直しを経て、3度目の正直となろうかという再開幕の日を刻々と待っています。J3が4月25日、J2が5月2日、J1が5月9日。今日たまたまYouTubeで村井チェアマンのインタビューを目にする機会があり、少しでも安心・安全に開催するために、まずはその為の装備を揃え、新たなルールに沿ったシステムを整え、そのルールをサポーターに周知するための十分な時間を取ろうとしているとのこと。想定される観客数に応じて段階的にシーズンインする方策をとったとのことです。

「勝負がつけばいいだけのサッカー」ではなく、あくまでも、「お客さんと共に創っていくJリーグ」を掲げ、貫こうとする真摯な姿勢と努力を感じ、涙が出ました。きっと、並大抵ではない、想像を絶する苦労や努力や、やるせなさがあるはずです。そして、シーズン開幕当時に「激しくて、フェアで、エキサイティング」であれとばかりに、Jリーグに期待ばかりかけていた自分を恥じました。それと同時に、ここまでもして、感動を、ワクワクするような時間を与えてくれようとするJリーグに対して、私自身は一体何が返せるんだろう、と思いました。

正直、今の時点でその答えは出ていません。ただ、この中断期間がなかったら、そんなことにすら気づかないまま、きっと期待ばかりかけることに明け暮れたシーズンだったんだろうなと思います。

Jリーグのある日常を、当たり前と思わずに。誰かの努力の裏で開催されている事を忘れずに。そう思いながら、再びの幕が開くときを心待ちにしています。


Namiyun

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