長編小説「ひだまり~追憶の章~」Vol.3-④
~真夏のスキーヤー@祇園祭を過ぎた京都~
Vol.3-④
ブラック・ヴォーカルのBGMが途絶え、客電も消えた。百人程の客席のあちこちからパラパラと拍手が起こり、徐々に厚さを増して行く。
私の胸の鼓動が最高潮に達した時、斜め後ろから
「早よせえや!」
と、叫び声がした。ホール内に笑いが沸き起こり、ほぼ中央のテーブルに居る顎ヒゲのオジサンが注目を集めた。その瞬間、
「わかっとるわいぃ~」
という、かったるいヴォーカリストの声と共に、5人がステージに姿を現した。ホール内は