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1人の少年との別れ。

こんにちは。
僕は発展途上国にサッカークラブを作る夢を持つ26歳です。

昨日は、一人の少年との別れの日でした。
彼とは、この団地に来て初めてサッカーをした少年の1人。

団地でのきっかけとなった一枚

父親の仕事の都合で、2000km離れる場所に引っ越すことになった。
そして昨日が最後の日だった。
彼は、毎週日曜日7時に欠かさず来てくれた。
日本語でアニキ!アニキ!と自分で調べて、アニキ!Teach me football!!!
と、いつも言ってくる可愛い少年だった。
ただ、アニキは少し恥ずかしいよ。と話をしたら、
君は、みんなにリスペクトしてる、だから僕も君にリスペクトしたい。
だからアニキと呼ぶんだ。そんなことも言ってくれる少年だった。
そんな彼との別れは、寂しい。そして彼には、みんなから好かれる人望と
人に対する優しさ、察する事ができるそんな人間性が備わった少年だった。
この察する事ができる子供たちはインドでは多い気がする。
人間関係において非常に重要な要素だなと。
だれかが困っている時、輪に入れない子がいた時、
スッと手を差し伸べる事ができる、そんな優しさ察することができる力。
改めて大事だなと、気が付かせられる。

そんな彼にみんなから、ボール・シャツにメッセージとサインを込めて、
そしてケーキをみんなでプレゼント。
普段サッカーをしていたみんなが集まった。彼の人望である。

そのあとは白熱の紅白戦(ストリートサッカー)を行った。
彼は僕の対戦相手で、いつもディフェンスについてくる。
そして普段からもそうだが、少しアドバイスをすると、
素直に聞き入れ、次の週になれば、どう?とアピールしてくる
それもまた可愛いやつだった。

そして9時ごろまでみんなとボールを蹴り、ひとしきり遊び、
みんなと別れを惜しみながら帰路へ。
団地の棟が同じで、いつも一緒に帰っていた。
今回も数人と一緒に帰り、スーパーいかなければならなかったので、
スーパーに行くから、ここで。と最後に握手を交わし、

自分をまず一番に大事に、そして君の人生を生きるんだ。
夢は叶う。元気でねと。
この言葉は、僕も尊敬する人たちに言われてきた言葉だ。

最後の言葉を伝え、彼も最後の最後に、涙が止まらず。
僕はその時は耐えたけれど、今になって涙が止まらない。

出会いもあれば別れもある。
ただ、インドでこんなにも早くフットボールそして子供達と関われたこと。
そのきっかけを作ってくれたこと。思い入れは強くなる。

もうすぐ半年が経つがこんなにも濃い時間を過ごせている事は幸せだ。

そして彼もまた、フットボールをきっかけにたくさんの経験をしてほしい。

ボール1つで生まれる、こみあげる感情、喜び、悔しさ、思いやり
様々な感情を体現できるフットボールという素晴らしいスポーツ。

また色んなきっかけを与えてくれるインド。
僕も、何かきっかけを与えれる人間になりたい。

藤本 七海人 / Namito Fujimoto


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