見出し画像

インクルーシブ教育についての考察

息子は、中学1年生の時、発達障害、具体的には、自閉症スペクトラム障害と、ADHD(注意欠陥多動性障害)と診断された。中学までは、普通学校の普通学級で学び、高校は、特別支援学校に進学し、今、専門学校に通っている。

進路を振り返って、特別支援学校を選択してよかったと思っている。特別支援学校には、中学校にはなかった合理的配慮がなされ、個別のサポートがあった。障害に合わせた支援教育を受ける事で、息子は、自尊心を養い、自立に向けて行動することができた。

そう感じていたにも関わらず、2022年9月9日、国連は、日本に対して、特別支援教育を廃止するように勧告した。国連の調査結果は以下である。

1.知的障害等を持つ子どもたちが通常の学校から隔離されている現状
2.分離された特殊教育を中止する事
3.質の高いインクルーシブ教育をすすめる事

 https://www.ohchr.org/en/press-releases/2022/09/un-disability-rights-committee-publishes-findings-bangladesh-china-indonesia

国連の委員会の調査によると、日本では、知的障害などの子どもたちや、支援を必要とする子どもたちが、通常の学校から隔離されているという。障害者、健常者が同じ環境で学ぶことをインクルーシブ教育という。同じ場で学ぶ事が、隔離していないとは言い切れない。診断が下されていた息子に普通学校の中学校は、合理的配慮は出来なかった。同じ場でいても、疎外感を感じる事はあるように、物理的な問題ではない。意識の問題だ。教師、教育関係者、さらに、保護者を含む大人が、インクルーシブ教育について知識を得て、諸外国の実情も知る事が必要不可欠であると考える。障害がみえにくい発達障害の子どもたちにとって、特別支援学校をなくすべきなのか、インクルーシブ教育をどう進めていくべきなのか考えていきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?