シーツにくるまって夜の闇を泳ぐ
このままやんわりと溶けて、このせんべいみたいに使い古された布団の一部になれないかなあ。
自分の部屋の中だけ、いや、この羽毛布団にだけすごく重力がかかっているようだ。
きっとそうだ。
何者かが耳元で囁く。今は日常を始めない方が良いよ、と。
いつも抗って起き上がっているのだけれど。
でも、今日は違う。
布団の重力は、何者かからの忠告だ。甘んじて、受け入れることにしよう。
ああ、あわよくば、このまませんべいみたいに押しつぶされて、僕も布団の一部にならないかなあ。
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