HSP/HSS先生の毎日④〜言葉がけ〜

 不登校と言われる子どもたちへの対応のまずさに、呆れることが多々ある。先生方を責めるつもりはないけれど、最初は「子どもに携わるプロとして、なぜその言葉が出てきたんだろう」と不思議で仕方なかった。
 例えば、学校に数日来ていなかった子が久しぶりに来て、短時間で帰る時の声かけとして「もう帰るのか」は、わかりやすくNG。その言葉がきっかけでまた学校から足が遠のく、というのはよく聞く話だ。

 自分の特性のことを知ってから、なるほど、と思った。「言葉がけ」は会話の中で突然必要になるから嘘は付けないし、シミュレーションもなかなか難しい。正にその人の経験や思考が色濃く出てしまうのだ。
しかし、子どもたちはそういう細かいところから大人の本音を探る。本能レベルで「この人は信頼出来る人かどうか」を見る。特に敏感な子たちにごまかしは効かない。
 
 最近よく聞く話で、先生が思いのまま発した一言で子どもたちが傷ついた時、親や他の先生も交えた話し合いの場で先生が「シラを切り通す」という話。ここで子どもの先生や学校に対する信頼は崩壊する。
 もし仮に不用意な一言を発してしまったとしても、話し合いの場は最後のチャンスだと思った方が良い。その時の出方で自分とその子の関係が決定的になる。そこでその子の想いを知った時に、素直に「悪かった。先生はそんな風なつもりで言っていなかったけど、結果的に傷つけてしまったことは申し訳なかった」と伝えることで、子どもの傷はかなり癒える。
そこから始まる新しい関係は、きっと前向きで強固な絆となるだろう。
 しかし今言われている「自分は言ってません」または「そんな意味ではありません」は、自己防衛に見えて実は自分の今後に深く深く傷をつけていくということを知っておいた方が良い。最初についた嘘や自分本位の言葉が、次の嘘や酷い言葉を招き関係悪化のスパイラルに入る。
 素直になること、また相手の立場に立った会話が出来るかどうか、それが出来ることは指導者の大切な資質。何を守り、何を捨てるべきかの判断力が問われる。

 私は子どもたちの気持ちが見える。すぐにそちら側に自分を移すことが出来るから聞き出せた話で、みなさんに伝えることが出来る気持ち。

 子どもたちは寛容だ。大人の間違いに敏感だけど、言葉で届けられないと判断した場合、自分の心を犠牲にして伝えてくれる。それには、大人も子どもの様な素直な気持ちになって応えなければならない。でないと、子どもたちの心は癒えない。真っ正面から向かってくる子どもたちを受け止めて、次の歩みに進めるはずの私たち大人が、子どもを更に傷つけてその歩みを完全に止めてしまうことがないように。皆さんにお伝えしておこう。

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