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教える人のハニラミメソッド

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私は英語教師です。自分の運営する教室、生涯学習センター、親子サークル、小学校などでほとんど全部の年齢の皆さんに英語をご指導しながら見つけたアイデアや考え方をシェアします。 もし…
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#学校

外に出て 心を自由に

 最近自分の教室の子どもたちによく言うことがある。 「自分の中に興味が湧いて、チャンスがあったら絶対に海外に少し長く行って欲しい」ということ。少し長く、というのは観光というよりは少しじっくり人を観察できるくらいの余裕がある期間、という意味。  今までよく英語の先生の知り合いが「海外に言って英語を学んで欲しい」と言っているのを聞いて、私は100%賛成ではないな、と薄く感じていた。英語を学ぶなら今だったら国内でも十分だし、それのためにわざわざ海外に行っておいで、とは言えない。少

先生

 ある本に「先生が何を教えなくても、モゴモゴ言ってるだけでも、響く生徒には響く。その子は先生の表情や言葉から何かを感じ取って「ということは、〜ですよね」と教えてもないことまで学び取る、というのがあってとても好きだと思った。内田樹さんの本だったと思う。  そしてこの記事も大好きだった。やっぱり指導者大事。  え?前のと後の、内容逆やんって思うでしょう? 私も自分の中のこの2つの考えが対立してる気がしてずっと気分悪かったけど、まさにさっきこの記事読んでて気付きました。  大

みんなで幸せになろう

 私は自分のコラムで、よく「大人はこどもの邪魔をしないでおこう」と書く。それは何より自分へのメッセージ。私たちは長く生きている分賢くなっていると言えるかも知れないけれど、その経験やそこから得た影響によっては退化していると言わざるを得ないケースも多い。そして最近残念な方の大人をよく見るからこそ、これはやはり声を大にして「こどもの邪魔をしないでおこう」と言わなければいけないと思う。 教育ビジネス=shit  私は教育を主な生業としている。いわゆる教育ビジネス界の端っこにいる人

子どものことは子どもに聞け

 英語教室で、私は下は0歳から上は一応中学生で送り出す様にしている。(その後ご要望があったら、その先もう少し続く…) だから、同じお子さんの成長の根っこの時期を十数年、かなり長い間一緒に見守らせていただくことになるのだ。 カオスの中の英語はリアル  幼児でやってきて、教室の中を歩き回ったり突如ゴミ箱の上に立っていたり。トイレに行ったかと思ったら全然出てこない…水道がいつの間にか出しっぱなし…英語どころではないと思いつつも、子どもたちは私の真似をして "Oh, no!" あ

生きる意味はそこら中

 私は「問い」の多い人生を歩んできた。多分生まれた時から私は問い続けている。幼い頃から母や父に兄弟に、思いつくことは何でも尋ね続けていた。兄弟の会話の中では「もし〜だったらどうする?」という話が多かったし、食後にもずっと食卓に残って家族でそんな話をしていた。  あの時間が大好きだった。  学校や公の場では時間の流れや他の人の心ない言葉が怖くて、「問い」は心に押し込んだ。そして大人になって海外に行ったら、「問い」はそこら中だった。世界中から集まってきたバックパッカーたちと毎

映画「夢みる小学校」感想

 ずっと気になっていたオオタヴィンさん監督の「夢みる小学校」を観てきた。映画の広告にあったのは、「宿題がない、通知表もない学校」「大人も子どももこんな学校に通いたかった」という言葉。  正直私はあまりにも教育や子育てに近いところにいるばかりに、こういった「特別な」ケースにあまり惹かれない。みんなが憧れること、みんなしたいこと、でも社会が変わらないから仕方ないじゃん、という子育て中の皆さんの声を日々聞いていて、手放しで理想を追い求めることの難しさを常に意識してしまうから。  で

これからの教育(私の仮説と確信)

 私の職業は英語講師だけれど、英語教育と同じくらい研究し続けているのは子どもを取り巻く環境。子育て。教育。 最近風呂場で娘に大発表した私の仮説は、「勉強が出来ない子どもはいない」というもの。誤解を恐れず言うならば、子どもには、否、人には"学びたい欲"がある。学ばなければいけない、のではなく「学びたい」欲。 どうやって食べ物を確保しようか、どうやって食べ物を腐らせずにずっと保存しようか…から始まって、より生き残りやすく知恵を絞り続けてきた歴史を振り返ってみても「考えること」「学

たとえ話

 私はたとえ話が好きだ。 自分自身が考える時に、もっと噛み砕いて考えたいとたとえ話をよく作るから。だからかな。私はいつも自分の中に3歳児を抱えていて。 「どうして?」「なんで?」がいつも心の中を占領してる。 だからだろうね。  それが自分が育児をする時、そして今の仕事に大いに役立つなんて、誰が想像したでしょう? 本当に役立ってる。そして相変わらず私の中にいる3歳児にも、もちろん。  めちゃくちゃ厳しくて、ヒステリックな程に何かに怯えている大人の人を見た時に、私の頭にネジ式

繊細さんに響く"裏メッセージ

 私はいわゆる「繊細さん」だ。気付いたのは40代半ば。でも生まれてこの方ずーっと繊細さんとして生きてきた。「繊細」は特徴ではなく短所だと思っていたから、ずっと生き辛かったけれど。今ではこの性質に感謝している。この超敏感なセンサーが感じる「裏メッセージ」に気付くことが出来たから。  子どもの頃から人の口調や表情、言葉からいろいろなものを感じ取っていた。その人の感情、その人が自分をどう見ているか、その人の中で私はどういう立ち位置になっているのか。それが透けて見えてどうしようもな

Don't stop thinking.

 小学校英語、4年生の教室。今日のトピックは文具。Do you have ...?という表現がキーフレーズで、それに伴い文具の単語を学ぶ。  私は補助の英語講師だから、英語的指導を請け負っている体。日本語は極力話さず音声教材でいて欲しい、という立場ではあるが「英語教育専門」としてそこにいるならば、私にはもっと伝えておかなければいけないこともある。誤解されがちだが、語学は音声や表現、語彙だけではない。むしろその背景や考え方、文化を知らない限りその言語を通したコミュケーションは歪

同じ価値観の中にどっぷり浸かってたら、ものすごく視野が狭くなるし、その価値観の中でしか動けなくなる。 自分がダメだの良いだのを、たった小さな集団の中の価値観だけで決めつけるなんて、もったいない。 この国に生まれ育ったからこそ、違う価値観に触れて欲しい。 #1good4kids

日本の若者はグローバル社会を生き抜けるか

世界の若者たち  先日ウクライナから日本に来ている学生たちと話す機会があった。18-19歳の学生たちは日本語も勉強中ではあるが、主な意思の疎通は英語を使って行った。彼らが話す英語を聞きながら、「話している」と感じた。自分自身のことや、日本に来て感じたこと。ウクライナという国のこと。表情豊かに話す彼らの言葉から言葉以上のものを感じて、更には一人一人の人柄や経験もよくわかった。聴いていて楽しかったし、彼らにとても興味を持った。  大変な状況下だが、こうして磨いてきた語学を使って

心えぐられる希望の書

 話題の本を読んだ。#教室マルトリートメント 。 いろいろな方のレビューなどで大体内容はわかっていたし私の違和感そのものが綴られているんだろう、と思ったから敢えて手に取らなかった。  ただ、ある方から「これを読んでどう思うか、知りたい」旨の言葉をいただいて、確かに私自身も散らかった心の中を整理する必要があったから改めてしっかり向き合って、考えをまとめてみようと思った。 違和感を大切に  私は小さな子どもの頃から「違和感」に弱い人間だった。少しの違和感がストレスになる。それ

「やらせれば出来る」もんなのか?

英語教育の迷走  そもそも私の専門は児童英語および英語教育だから、英語の切り口一つ取ってみても、その舵取りの酷さは目を覆わんばかりだ。そりゃ「小学校でも英語してくれる」ってなると「英語教室に通わせなくてもチャンスがある」と喜ぶご家庭もあるだろう。でもプールと同じ。以前我が子の懇談会である保護者が「学校の水泳の授業では、泳げる様になるんですか」と先生に尋ねていて、先生が口籠もったのを思い出した。  みんなそれを思い出すべきだ。英語もプログラミングも。学校でちらっと見せてもら