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英文を速読するコツ~イメージで直読直解する方法!

こんにちは、なみのリズムのアサコです。

「TOEICテストで制限時間内に問題が解き終わらない!」「リスニングを一度で理解できない!2回聞けばわかるのに…」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

英語のネイティブは、1分間に300語の英語を理解することができるそうです。一方で、平均的な日本の高校生(進学校)が理解できる英語の語数は100語程度。近年、「(センター試験と比べて)英文の量が劇的に増えた!」と騒がれている共通テストの英語でさえも、1分間に120語ほど理解できれば制限時間内に解けるような作りになっています。

したがって、高校まで一生懸命英語を勉強していて、共通テストでそこそこ点を取れる人であっても、ネイティブとは約3倍もの差があるのです。このスピード差をいかにうめていくかが、上級者への道となるのではないでしょうか。そこで、今日は英語をすばやく理解するための練習法を紹介します。

(※以下の文章は、旧サイトで掲載していた記事を修正して再掲したものなります。)

英文を速く読むためには、一体どうしたらいいのでしょう?

答えをズバリ言ってしまえば、その最大の秘訣は、英語を「直読直解する」、つまり、英文をイメージで理解するということです。

しかし、多くの人がやってしまっているのが、「日本語に訳してから英文を理解する」という作業です。でも、訳していたら速く読めるようにはなりませんよね。訳す分だけ時間がかかってしまいます。

そこで、理想なのは、英語を英語のままに理解するということです。

つまり、「英語を直読直解する」ということ。これは、音読を推奨している東進ハイスクールの安河内哲也さんがテキストで繰り返し言っていることですね。

でも、「『英語を直読直解する』とはどういうことなのかわからないし、どうやったらいいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。

そんな人のために、直読直解の意味を理解し、直読直解を徹底して実践するためのひとつの方法を教えます。

英語をイメージで理解するということ

私たちは、言葉から具体的なイメージ(心象)を心の中で思い浮かべることで物事を理解しています。

例えば、「りんご」と日本語で聞いたら、次の写真のような、具体的な「りんご」を思い浮かべるはずです。

仮にですが(!)地球上の「りんご」という果物の存在を知らない宇宙人がいるとしましょう。当たり前ですが、彼らが「りんご」という言葉を聞いたとしても、理解できないですよね。見たことがないわけですから。

でも、もし地球の物について説明した図鑑があったとして、りんごの写真があったら、「なるほど、これが『りんご』か。わが星の食べ物の○○に似ているな」という風に考えて、りんごというものを理解するかもしれません^^;

このプロセスは理解にちょっと時間がかかりますよね。実は、私たちも日本語を通して英語を理解しようとするとき、似たようなことをやっているのだと思うのです。

これは10年程昔の高校英語の教科書に載っていた話ですが、明治時代、福沢諭吉がはじめて”democracy”という単語を聞いたとき、日本にはdemocracyがなかったので、democracyの本当の意味がわからなかったそうです。実際にアメリカを訪れて、アメリカの大統領が選挙で選ばれるのを見て初めて、democracy=「民主主義」の意味を理解したそうです。日本の権力者はみんな世襲制だったので、その仕組みにびっくりしたそうです。「民主主義」という概念は新しかったわけですね。

このエピソードのように、実際に経験すること/見るものから直接英語を学ぶことが理想です。そうすれば、日本語訳に頼らなくても英文を理解することができるようになります。これができるととっても速いですよね。

まあ、「これは理想的には」ということであって、日本国内で100%それを実践するには難しいものがありますけど。しかし、直読直解を身に付けるために、国内で学習していてもできることはあります。以下で、勉強法をご紹介していきます。

①写真やイラストでフレーズを覚えてみよう

上で述べたように、言葉を概念として理解するのには時間がかかりがちです。しかし、視覚的に見えるものを理解するのは簡単です。この原理を利用して、視覚的に見えるものと英文を結びつけることで理解速度を速める練習をしましょう。

例えば、”tie a small knot”というフレーズがあります。これをひとつひとつの単語に忠実に訳すと、

tie    a small knot
結ぶ   小さな結び目を

となりますね。では、「小さな結び目を結ぶ」という直訳から、英文のイメージはぱっと思い浮かぶでしょうか?ちょっとわかりにくいかもしれません。

でもこのフレーズを、下の写真と一緒に覚えてしまったらどうでしょうか。

tie a small knot

これは例ですが、ネクタイで結び目をつくっているシーンですね。この光景とフレーズをセットで覚えるのです。

具体的には、フレーズを何回も唱えて覚え、写真を見ながらフレーズを言えるようにします。

同じように、他のフレーズも写真で覚えてみましょう。

do sit-ups


英語のフレーズだけ読んだら、sit-upsって何を指すのかわからない人も多いかもしれませんね。でも、写真の動作を見たら「なるほど!」って思うのではないでしょうか。腹筋運動です。

ちなみに腕立て伏せのことはpush-upsと言います。床を手で押す動作ですので、こちらの方がわかりやすいかもしれません。

このように見ていくと、日本語訳よりも、写真が表すイメージの方が強く印象に残ります。そして、意味が生き生きと脳裏に浮かびますね。英文を読むときにも、このように、英文の意味が表す、生き生きとしたイメージを思い浮かべながら読めるようになることが理想的なんです。

このように、日本語訳を介さず、直イメージすることが「直読直解」なのです。これができると、英語がとっても速く読めるようになります。

TOEICではリスニング問題の最初に写真を見て答える問題がありますが、これも大いに活用するとよいですね。「問題解けたからいいや」で終わらせるのはなくて、TOEICの問題の写真を見て自らフレーズを言えるようにすると、理解速度が速くなりますよ。

②身体操作などを表す英文を使って読解練習をしてみよう


では、次はフレーズではなく、ある程度まとまった文を使って「直読直解」の練習をしていきましょう。

その素材としてピッタリなのは、具体的で目に見える動きを表す英文です。目に見えるものはイメージしやすく、わかりやすいからです。

例えば、次の英文はサーフィンボードの上に立つときの動作について説明したものです(大学受験のセンターレベルの英文です)。英文の意味を想像しながら読んでみてください(参考までにスラッシュを引いておきます)。

Now it’s time / to learn how to stand up. //Lie on your chest, /your head up, /looking ahead. //Put your hands on the board /beside your shoulders /palm down /like you are going to /do a push up.// Push your upper body up /while at the same time /you sweep your feet /under you, /positioning them on the line /down the middle of the board, /so your weight /is centered on the board.//

(大意)

では、立ち方を学んでいきましょう。胸をボードに付けて、頭を上げ、前を見てください。手は肩の横におき、手のひらは下に向けてください。腕立て伏せをするときのようにね。上半身を手で押し上げて、同時に足を体の下にすっと持ってきます。そして足をボードの真ん中を通る線のところへ持ってきてください。重心がボードの中心に来るように。

(※英文は、河合塾編「2012マーク式模試問題集英語」のリスニング問題より一部抜粋をさせていただいています)

この英文を、何回も何回も読んでみてください。

実際に、サーフィンボードが目の前にあると仮定して、その上に立つ仕草をしながら読むのです。そうすると、日本語訳をするより、動作と英文を結び付けた方が、速く理解できますよね。


日本語でも、哲学とか、抽象的な話というのは理解しにくいです。例えば、「無知の知を知れ」と小学生に言っても、小学生には何のことだかわからないでしょう。それは、具体的なイメージが思い浮かびにくいからですよね。

大人は経験が豊富なので、自分の経験と照らし合わせて「無知の知」という概念を理解します。しかし、大人であっても、英語学習者にとっては英文で抽象的な概念を理解することは難しいです。

ということで、まず、物語のように動きをイメージしやすい英文を読んで「直読直解」をマスターし、徐々に抽象的な概念を伴う英文を使っていくといいでしょう。

ちなみに、イメージで英文をとらえるためには、英語の語順を感覚としてつかんでおくことが大事です。以下の記事では、文法用語を使わずに日本語と英語の語順の最大の違いを説明しています。ぜひ読んでみてください。

感覚でつかめる!根本的な英語の語順ルール→音読するときに覚えてね!(※後日UP予定)

参考までに、先ほどの英文のスラッシュリーディング用スクリプトもつけておきます。

Now it’s time さあ、時間です/ to learn how to stand up. 立ち方を学ぶ//Lie on your chest, 胸をつけて横たわって/your head up, 頭を上げて/looking ahead. 前を見ましょう//Put your hands on the board 手をボードにおいてください/beside your shoulders 肩の脇に/palm down 手のひらを下にして/like you are going to ~するように/do a push up.腕立て伏せを// Push your upper body up 上半身を押し上げてください/while at the same time 同時に/you sweep your feet 足をすっと持ってきてください/under you, あなたの(体の)下に/positioning them on the line それら=足を線のところに持ってきてください/down the middle of the board,ボードの真ん中にある /so your weight /あなたの重心が~するようにis centered on the board.ボードの真ん中にくる//

多くの人が、まず英文を日本語訳にするというところでつまずいています。訳すという作業は、人によっては大変だったりします。でも、日本語訳に頼らず英文を読めるようになると、読むのがすごく楽になります。

ぜひ実践してみてくださいね!

※このサイトでは、「実用的な英語力UPにはリスニング力が不可欠」だと考え、記事をUPしています。今回の件でも、文だけでなく「音」でフレーズを覚え、音で英語を直理解できるようになると、学習がすっごい楽になります!

リスニングについては、以下の記事をご覧ください。

英語リスニング勉強法の全体像―リスニングにだって適切な学習の流れがある!|なみのリズム英語★リスニングができれば全てうまくいく!|note

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