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【モノの魅せ方 / TOYOTAカーディーラー🚘】


今日はお遣いで初めてディーラーに行きました。
約1時間ちょっとの待ち時間の間、もうそろそろ自分の車考えなきゃだしな〜くらいの気持ちでなんの気無しに手に取ってみた車のカタログ。今まで車、技術、モノといった分野にそんなに興味を持てたことがなかったので、この時はまさかカタログにのめり込むとは思ってませんでした。

しかし次々色んな車種のカタログを手に取るうちに、そう言えばお客様は普段どのようなものに囲まれているんだろう、お客様の日常はどのようなものなんだろう、どんな言葉が刺さるんだろう、という日頃の疑問のヒントを誌面の中でも探し求めていました。

そして次第に各車種の魅せ方、モノを魅せる面白さにすっかり魅了され、それぞれの世界観にときめいてしまいました…😆✨

よく「モノではなくストーリーを売れ」とは言うけど、こういうことかと💡
それにモノの素晴らしさにも気づき、思いがけない発見の日となりました🎉

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導入部分の鮮やかな写真と少しのコメント。
たった数ページなのに世界観も内容の方向性も全然違って本当に面白い。

ざっと思い返すと各車種こんな感じだった気がします。(車には全く詳しくない上、完全に個人的な感想・解釈です。違ってたらすみません。訂正するのでご指摘ください)

・CAMRY、HARRIR…
高級車ラインに当たるんでしょうか。
夜景や石畳を背景にした写真、車のディテールに焦点を当てた写真を全面的に載せ、数行の文章を添える。
例えば乗り心地やハンドルを握る心境を添えたショートストーリーで、所有者目線の気持ちを読者に想起させる。その車を存分に愛して楽しんでる感じが伝わり、"愛車との日々"を自然と思い浮かべる。
また別のページでは後続車ドライバーや通行人目線の語り口調で、他者からの憧れを想起させる。これは承認欲求強めの人に刺さりそう。

・GRANACE…
ゲストをお乗せする6-8人乗りの大型車で、後部席はファーストクラスの座席みたいな造りの車。
他の車は操縦性や機能性、運転の心境などドライバーにフォーカスしたものが多かった。しかしこの車種のカタログでは"空間"という言葉が多用されており、どちらかというと後部座席に乗るゲストにフォーカスが当てられていた。「お客様をこんなひと時へ誘います」といった具合。"大切なゲストをお迎えする責任"と、そのための品質、風格、信頼感に重きを置いてる印象を受けた。まるでゲストをどう歓迎しよう…と頭を抱えた事業主の悩みを理解し、寄り添ってくれる心強いパートナーの言葉を聞いているようだった。ホテルや空港ラウンジなどパンフレットを見てるような世界観のカタログ。

・AQUA…
見やすさわかりやすさ重視。そして技術の解説がしっかりスペースとって載せられてて、代わりに車の写真の面積は少なめ。色使いも爽やかで明るい。教科書みたいな印象。

・GR…
スポーツカーブランド。
紹介文には次々技術名やこだわりポイントを載せて、最後に一言だけ、「〜このこだわりが走る楽しみを生み出します。」と言った心理的なコメントを添えるスタイル。自信を持って真っ向勝負してきてる印象を受けた。

・EV系…
環境への課題と責任、当然考えてるよね?くらいの圧で来る。私はチョロいので考えなきゃ…!ってなった笑

・オフロード系…
ゴツいゴシックフォントで1文ずつバーンと載ってる。アメリカナイズされたテンションになりきってて、言葉もあえてなのか翻訳したみたいなフレーズ。西部劇の吹替版を観てるみたいな感覚になる。

その他…
・それっぽいフレーズはあるのになぜか刺さらないもの。これはフォントや配置などデザインが問題の可能性もあると感じた。
・"この車を運転した時、あなたはどう思うだろうか"と文字通り真っすぐ問い掛けてくるもの。
・"この技術を搭載した車にはこんな楽しみがあるよ、味わってみて" と優しく教えてくるようなもの。
・"お前もコイツに乗ってこのノリになろうぜ!!!"みたいなめっちゃ慣れ親しいテンションでくるもの。

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車種によって様々で本当に面白かったです。

どのカタログにも共通していたのは、こんな技術載せときました!!開発しました!!じゃなくて
このハンドルを握ったとき、この空間に座った時、この車を所有した時に、あなたは、もしくはここに乗るゲストはどんな心境になるか、という心理面に言及していたこと。そのための根拠として、技術やこだわり、解説が添えられてる。
そしてその車を持つ日常を想起させてくる。

全部違う人が制作してるんだろうと勝手に思い込んでたけど、実際どうなんだろう。カタログ作成を受託してる会社もそれぞれ違うんだろうか。それともトヨタの広報部門とか毎回同じメンツが複数案件並行しながら担当してるんだろうか。そうだとしたら振り幅恐ろしい…。

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正直今までモノとか技術とか興味を持とうと思っても全然持てませんでした。技術派遣の営業だったのに。笑
むしろ世のメーカー様には大変失礼な話なんですが、量産的なモノとかコスト削減思考とか景観度外視の田んぼの中の工場とか、観光とは相容れない要素が強すぎて、世の中の利便性と税収支えてくれてるのはありがたいけどあんまり好感持てない…観光の敵…くらいに思ってました。(メーカー関係者の方本当に申し訳ありません)

それが今日色んなカタログを読み比べていて、モノがあって初めて空間に個性や特徴、方向性、格調が生まれると気付かされ、頭上がらないなと思いました✨

さらに技術がその効果を加速させてくれる。品質を向上させてくれる。素晴らしいですね!!

それにモノの所有、使用経験が自己表現、自己実現に繋がる、というのは新しい感覚でした。
ブランド品と言われるものは元来皆そういうものなんでしょうか。

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めっちゃ企業秘密だろうけど、いつか機会があったらターゲット層が明記された企画書とかと照らし合わせてみたり、デザインを改正したポイントとその理由の解説を見ながら答え合わせみたいに研究してみたいです✨

また未解決の疑問として、体験した時の心境を言及するとネタバレ感が出てしまうのではないか、だからあまり言わない方がいいのではないか、というのが以前からある。ここももう少し研究してみたいと思います。

こういった雑誌やカタログは、ターゲット層がある程度定められてるからこそ、その方々を惹きつけるヒントがたくさん散りばめられていて大変勉強になるものですね✨

用件終了の声掛けを受けた時、内心もうちょっと見てたかった…と名残惜しく思うくらいにはハマりました笑

いい1日でした😊

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