だらだら就活日記~心に余裕を~

「誠に遺憾ながら、今回は採用を見送らせて頂くことになりました。」


何回見たんだろう。この定型文。

友人が『「今回」なら次回もあるってこと?また申し込んでやろうかな??」なんて言ってて、確かに~と思った。

「今回」見送りなら、「次回」があると思っちゃうよね、実際ないんだけど


1年以上続く就活はコロナウイルスによって一段とハードさを増した。採用枠の減少とか企業の影響というより、このクソストレス溜まる就活期に気軽に実家に帰ったり、友達と出かけたりができないことが一層ストレスを蓄積させていく。


ストレスがたまると、余裕がなくなる。余裕がなくなると、ヒトやモノに優しくできなくなる。これが一番怖い。

長期にわたる外出自粛は、孤独を習慣化させた。私はもともと1人で家にずっといるのは1日だって我慢できなかったのに、今では1人で家にいるときが一番リラックスできる。

むしろ人混みがどんどん苦手になっていって、ちょっとした恐怖も感じるようになった。早くこの場所去りたいってめっちゃ思う。将来働けそ?

多分これは就活終わって安心できればかなり解決できると踏んでいる。一つ不安材料が解消されればいいのに。辛。


そんなこんなで就活帰り、駅前のスーパーにふらっと立ち寄った。今日は立て続けに2通お祈られたし、人混みだったし、かなりメンタルは来ている。死んだ顔でスーパーへ足を進めると、懐かしいにおいが香ってきた。


ふと前を見ると、そこには唐揚げの屋台が来ていた。家でもなく、お店でもなく、屋台のあの独特な唐揚げの匂い。


思い出したのは地元の花火大会だった。夏と呼ぶにはまだ少し早い時期に開催される花火大会、決して規模は大きくないけれど、毎年の楽しみだった。


そこで食べる唐揚げの旨さといったら、たぶん高級レストランの何かよりも遥かに上だと思う。うまみって食材や料理だけでなくて、雰囲気や食べる相手で違う


そして浮かんできたのは、中学時代に好きな人と駐車場で花火を見上げた思い出だった。唐揚げから連想されるのはまるでロマンティックとは程遠いけど。


こういう瞬間って本当に大切にしたくて、日々追われる毎日だと心に余裕をもつことや、故郷を懐かしむ気持ち、優しい気持ちを忘れてしまいがちだけど、私は今日、この唐揚げの屋台を通して、少し落ち込んだ気持ちも上向きになれたと思う。


唐揚げ、ありがとう。


そうやって帰ったら、一件、面接が合格しましたとの連絡が来てた。第一志望で、でも面接中に泣いてしまったし絶対落ちたと思ってたけど。


心に余裕を持つと幸せが舞い込んでくるのはあながち間違いじゃないな、なんて想った、そんな1日だった。



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