MBA生活振り返り2018年5月 〜休閑〜

こんにちは、組織のChange Agentを目指すMasamiです。

今回は、2018年5月度の記録から。この月のレポートから、多岐に広がる活動内容を反映して、概況説明を冒頭に加えるようになりました。

ベンチャーキャピタルに勤める方から、

”大きな企業に属する人と仕事をするのは、つまらない。彼らにはオーナーシップが欠けている!”

と言われたことが今でも心に残っています。

それではどうぞ!

-------------------------


 概況
Desert Challengeから無事生還し、Management Practicumのエクストラプレゼンを終えて1週間ほど休養で英気を養った後、5月3週目からSpecial Termに突入しました。Special Term期間中は、授業は夜間のみで、日中はFulltimeのインターンシップを実施できるように配慮されています。1つのモジュールにつき1週間3.5時間の授業が2コマあり、私は2モジュール受講しているので火〜金の夕方の6:30〜10:00pmが埋まっています。
このレポートを作成している現段階では、まだインターンシップが開始されていないので、日中の時間は穏やかに過ごしています。


 Special Term 授業

第二セメスターでは、プロジェクト運営やleadership論などのソフトスキルの向上に焦点を当てておりました。Special Termでは興味のある専門知識の深掘りを目的に、以下クラスを選択しました。
 Global Operation Management
 Investment Analysis and Management

 Global Operation Management
担当教官のAlexander Capriは国際トレードの第一人者であり、CNNやBBCでもコメンテーターとして活躍する実務経験豊富な方です。Operation Managementに関してはOptimizationとRisk Mitigationの2本が柱であるとして、Global化が進み、また、人・もの・情報のMobilityが格段と高まった現在において、OptimizationとRisk Mitigationを実行する上で認識すべき課題を提供します。Learning Objectiveとしては1) 21st Century value‐creating ecosystems 2) Optimization of cross‐border resources, networks and human capital 3) Transformative and disruptive technologies 4) Regulatory compliance and risk management 5) Good governance and social responsibility 6) Future challenges and opportunities for Asian Companiesと多岐に渡っており、刺激が多いです。
授業の進め方も、適宜にグループディスカッションを折り込み、クラスの活性度が高く面白いです。
個人として企業のBoard Memberに向けて2-page Executive Memoを提出せよ、またグループとして”Global Strategic Operation Plan”を練って提出せよと課題が設定されており、これはなかなかハードです。

 Investment Analysis and Management
この科目の選択は6月より開始するインターンシップ先の業務と関連しています。6月6日より日本M&Aセンターのシンガポールオフィスにて、パートタイムでインターンシップを開始することになりました。経営者の視点でものごとを見るには、MBAにて初めて向き合った、Corporate Financeを深掘りする必要があると感じたからです。
授業では、第一セメスターで必修科目として受講したCorporate FinanceのReviewから始まり、Investmentの世界の仕組み、ルール、を学んでいます。また個人でも“お金”の歴史から勉強し始めています。お金の社会に対する役割。Cashレス化が進み、実態のないものを信用し、架空の富を求めていく先にあるもの。なぜ日本は他国に比べて個人貯蓄が高いのか。職の流動性が低いのか…などなど。良くも悪くも、日本人として形成された“価値観”の根源が露わになってきて、他の国の価値観を考察する際に使う“視点”が1つ増えたような気がしています。(お金のマクロの動きに着目すると、歴史も見え方が変わるので面白いです。)

お金やその活用方法の投資について向き合うと、世の中の流れに敏感になる利点があると思います。“鳥の目、虫の目、魚の目”を育てる訓練になります。思わぬところから、自分の世界観に変化が生じており、驚きながらも楽しんでいます。

●学外での活動
NUSMBA日本人学生コミュニティーの活動が活発化しており、様々な情報交換が行われています。

○イノベーションを起こす仕組みとは?
日経新聞社がシンガポールにイノベーション創造のためのシステム作りを取材にきており、経済産業省から同じくNUSMBAに国費派遣されている友人のツテで取材イベントに便乗させていただきました。
結論から述べると、シンガポールでもイノベーションを起こすシステム作りにおいて、これだという型が見出せていません。アウトプットが出てきていないのです。
現在シンガポールでは100箇所以上のCo-Working Spaceが国・企業主導で設置されていますが、イノベーションは場所(空間)を提供するだけでは、生まれないと関係者は語っています。
私個人の見解としては、シンガポールではイノベーションを起こすための瞬間的な爆発的なエネルギーが生まれにくいことが1つの原因ではないかと思っています。つまり、シンガポールは豊かな国であり、普通に暮らす上では危機感を抱きにくいこと、また社会をより良くするアイデアを思いついても、熱狂的な心から賛同を受けることがないと考えています。(政府の役人レベルは、小国という認識から強い危機感を持っています。)
一方で2012年にマレーシアで誕生したGrab(シェアリングライドを中心とするテクノロジー企業)はローカルのニーズを的確に捉えており、急成長を見せています。
彼らの打ち立てた3つのソーシャルミッションは心に響くものがあります。1つ目は安全な移動プラットフォームの提供、2つ目はアクセスしやすい簡便な移動手段の提供、そして最後の3つ目はドライバーと乗客の生活の改善です。
ユーザーに共感し、ユーザーを理解することがGrabの課題解決の戦略であり、この心意気は産業・業種を超えて通じるものがあると感じました。

○中国の状況
Desert Challenge前日に重慶に1泊滞在しました。また現在北京・上海大学に交換留学に訪問しているMBA友人からの情報を元に中国について述べます。
巷でも最近よく言われているように、中国のいくつかの大都市は完全に日本を追い越しています。特に新しい産業(IT系)では顕著です。圧倒的な資金を手にしています。街並みは東京と同等かそれ以上です。個人的に本当に驚きました。
一方で、私が直接見たわけではありませんが、古い産業(鉄鋼、石炭、ガラス、コンクリート、アルミ、造船、太陽電池、風力発電、石油化学の9つの産業)は“過剰生産”の問題が解消していないようです。(大前研一 2018年の世界)国策事業であるため、地方に新たな産業を生み出せないのに、工場を閉鎖して雇用の場を減少させることができない為です。
連続運転を前提とした化学プラントで稼働率を下げることは、コスト競争力を失うどころか、頻繁な起動・停止あるいは設計思想を外れたレートで運転することによる安全性の問題も懸念されます。そういった意味では、我々の石化事業でまだしばらくキャッシュフローが確保できるかもしれないという期待と、その期待や安堵感から事業変換の勢いが萎んでしまう懸念の両方を抱きました。

○Global Brain 佐野氏との対談
以前NUSMBAにEntrepreneur Clubがゲストスピーカーとして招いた、Global Brainというベンチャーキャピタルに務める佐野さんに、1時間ほど時間を取って頂き1対1で対談しました。ソニーで8年間ほど新規事業立ち上げのためのプラットフォーム作りや社内Fundの立ち上げや、社内の斜陽の事業に飛び込んで、事業の1から10を個人の力量でまわす経験をされた後、現職に転職された経緯を持つ方です。大企業の中でも自分の活躍できる環境を自ら整えていかれた点に学ぶべき部分が多いです。最近、The Facilitator ~人を伸ばし、組織を変える〜(森時彦 著)という本に出会った影響で、「統合後にシナジーの発揮が求められる中で、Facilitationスキルを取り入れて組織の活性化、組織変革、そして自分自身の成長・行動の変化に繋げて行きたい」と豊富を語ったところ、「その視点も良いが、やはり結果を出すにはOwnershipが最も大切だ。」と多くのベンチャー企業、人を見てきた経験をもとにアドバイスを頂きました。また、「日本がこの先世界でプレゼンスを取り戻していくには、やはり大企業が内側から変わっていくことが非常に大事だ。頑張りましょう」とも声をかけて頂きました。

ちなみにFacilitationスキルは、これまで比較的長い時間をかけて、信頼関係を構築してきた自分にとって、この先必要になるスキルだと強く感じています。特にリーダーズインテグレーションは、リーダーが新しい組織で最短で力を発揮するために非常に有力であると感じました。これは決してリーダーがファシリテーター(中立)になるという必要はなく、ファシリテートできる人の力を借りることでも実現できます。人事異動の効果は1年、2年かかるという常識を覆せるかもしれません。

●プライベート
8月にシンガポールで3人目の子が誕生予定です。シンガポールは最新医療が整っていることもあり、病院での無痛分娩が一般的です。しかし、妻の希望で一人、二人目同様、自然分娩のできる自宅出産を考えており、1月頃から準備を進めています。これもかなり大きなプロジェクトなので、毎月のレポートとは別枠で、タイミングをみて纏めたいと思います。

-----------------

以上です。

リンク集↓

私のプロフィール。振り返りシリーズ初回前回号次回号MBA総括


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?