種子

大丈夫、心配しなくていい。
その涙は種子なんだ。
たくさん大地に蒔けばいい。
貴方のその種子は、必ず花を咲かせる、
そう信じて、何度でも。
その花はいつ咲くのか、分からないけれど
腐ることもあるだろう、飛ばされることもあるだろう
でも、その涙は、種子なんだ。
思う存分、大地に蒔いてしまおうよ。
蒔かなきゃ、勿体無いんだよ。
せっかく生まれた、命の種子だ。
たくさん、蒔いたらいい。

悲しいか？
嫌か？

自分の手に、落としてごらん。
輝いているのが目に見えないか？

視界は滲んでいるか？

それなら、その手に落ちた種子を、握って感じてほしい。

いくらでも。

どう足掻いても、足掻くほど、
種子は沢山生まれてくるんだ。

貴方の涙は、種子なんだ、
たくさん、広い大地に蒔いてさ、

いつか、自らの花を、目にしたいじゃないか。

なんなら、一粒だけ、ポケットに閉まっといたって良いんだよ。