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vol.49『ツバメとわたし㉔~No,2を手に入れる~』

(前回作はこちら→『ツバメとわたし㉓』)

 ツバメ三大天敵を調べ上げたわたしは、さっそくアオダイショウのおもちゃを探しはじめた。でも、一体どこにあるんだ。アオダイショウのおもちゃなんて。とりあえず、100均へ足を運んでみた。クモや昆虫、恐竜などのおもちゃは置いてあるが、ヘビは見当たらない。トカゲならあった。おもちゃ屋さんへも行って見てみたが、んーー、まさにこれ!っていうのには、出会わない。

 こういう時は、便利なネット!

 ということで、検索をしてみると、おぉ♡あるではないか!
 ヘビがこうぐるぐるっと、とぐろを巻いた感じなのがいいんだけど、あるかな……。

 おぉ♡あるではないか!さすが、ネット!情報が一度に手に入る。

 ということで、さっそくポチる。

 数日後、とぐろを巻いたヘビがやってきた。ワクワクどきどきしながら梱包を開ける。中から出てきたのは、忠実にうろこや体の色を再現されたヘビ。なかなかリアルな出来ばえ。やるではないか。これならいけるに違いない。

 わたしは、ヘビも苦手だ。飛ぶものと同様、動きが読めない。それでもって、迫りくるスピードも速い。慌てて逃げようとして足がもつれて、すぐに追いつかれそうだ。さらに、急にむくっと腹筋やらどっかの筋肉を使って立ち上がる。ヘビが立ち上がったら、もう戦闘態勢だ。勝てる気がしない。

 わたしはヘビを持って車庫へ向かった。ヘビを持つなんて、おもちゃだからなせる業。ヘビに触ったこともないけど、きっとああいう感じでこういう感じなんだろうなあ……と、頭の中で爬虫類の皮膚感をイメージして、一人ぞわぞわする。
 
 それに、実際に生きてるヘビを今みたいに持ってたら、一気に腕に巻きつかれて締め上げられて、予想以上にめちゃくちゃ開く口でカプッとやられるんだろうなあ。それで、毒が回って、走馬灯のように想い出がいっぱい見えるんだろうなあ。切ない。

 そんなことを一人ぞわぞわ考えながら、照明の上へリアルヘビをセット。うわぁ。ヘビやわ。ヘビ。ヘビに見下ろされている。一番高いところに鎮座しているヘビがだんだん王様みたいに見えてきた。なかなかの威圧感だ。恐怖心をも煽る。おもちゃだと知らされていない人がこれを見たら、間違いなくびっくりするレベルだ。「いたずら」や「びっくり」に使われるのはこういうヘビなんだろうけど、わたしがだれがにそういうターゲットにされたなら、普通にトラウマになりかねないレベルのヘビだ。フィギュア職人?おもちゃ工場? わからないけど、良い仕事をしている。

 よし。天敵No,2であるヘビをセッティングしたから、しばらく様子を見よう。さて、ツバメはどう出るかな。

(つづく)

最後までお読みいただき、ありがとうございました(*'▽')
『ツバメとわたし㉕』を更新しましたので、よろしくお願いします。

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