マガジンのカバー画像

古典ノベライズ

53
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

『古今著聞集』老僧の水練01(古典ノベライズ前編)

 ねぇ、先輩。  いつのことでしたっけ?  ああ、そうそう。  あたしが17歳で、先輩が18歳…

『平家物語』扇の的02(古典ノベライズ後編)

(昨日分 ↓ から続き) https://note.com/namikitakaaki/n/n7e734ce03e01  丸刈りの宗隆(…

『平家物語』扇の的02(古典ノベライズ前編)

 先週分 ↓ からの続き https://note.com/namikitakaaki/n/n01dbc1fdb3eb https://note.com/n

『平家物語』扇の的01(古典ノベライズ後編)

(昨日から続き) https://note.com/namikitakaaki/n/n01dbc1fdb3eb  その愛人にナイフを突…

『平家物語』扇の的01(古典ノベライズ前編)

 19歳の小柄な宗隆(むねたか)青年は、丸刈りの下で背筋をゾクリと大きく震わせてから、4年…

『十訓抄』小式部内侍が大江山の歌のこと02(古典ノベライズ後編)

https://note.com/namikitakaaki/n/na3662afbd467 (昨日から続き) 「え、え、え? アドリ…

『十訓抄』小式部内侍が大江山の歌のこと02(古典ノベライズ前編)

01前編 https://note.com/namikitakaaki/n/ne8f44ad5548e 01後編 https://note.com/namikitakaaki/n/n75d1a8b718c6 (以下、先週から続き)  そんな悪態をついた33歳若作りラッパーの藤原さんは、至近で意地悪くニヤつくと、テレビ局のほうへと踵を返そうとしていた。  その瞬間。  藤原さんと図書子さんの間にいた僕の顔の右側を、なにかが空を切って素通りした。  それは、僕と向かい合わせに

『十訓抄』小式部内侍が大江山の歌のこと01(古典ノベライズ後編)

(昨日から続き)  人見知り特有の合わぬ目線のままオドオドと俯き謝り続ける彼女は、僕が中…

『十訓抄』小式部内侍が大江山の歌のこと01(古典ノベライズ前編)

 図書子(としょこ)さんと最後に会ったのは、数年前の地元・鳥取での成人式だったかな。  …