点字って意外と奥が深い
以前、視覚障害者関連の施設で働いていた。
点字化された本をチェックし、点字の間違いがあれば修正する。それが私の仕事だった。
長年点字を使用してきた私。そんなの簡単なお仕事だろうと高をくくっていたのだけれど、とんでもなかった。
点字では、基本的に漢字は使われない。カナだけで文章を書き表す。
だから読みやすくするために適切なところにスペースを入れる必要がある。
で、そのスペースをどこに入れるかというのが悩みポイントになるわけで…。
細かいルールがいろいろと決められているのだけれど、すべてを理解するのは難しい。
またそのルールの中には、「それっておかしくない?」と言いたくなるようなものもあり…。
「点字表記辞典」とにらめっこするばかりの日々だった。
点字って奥が深いようだ。全然知らなかった。
それに、「正確な発音で点字にしなければならない」という悩みポイントもある。
例えば「日本○○」という団体があったら、「にほん○○」なのか「にっぽん○○」なのかを調べる必要があるのだ。
ネットで調べるなどしてすぐにわかればいいけれど、わからなければその団体に電話して聞くしかない。
私にはそんな経験はないけれど、実際に電話をかけたという同僚は「その団体の人も知らないみたいで困ってた」と話してくれた。
確かに「にほん」なのか「にっぽん」なのかなんてどっちでもいいやんという話で、意識しないよなあ…。
私、点字のことはまだまだ全然理解できていない気がする。
これでも一応「点字技能師」という資格を持ってるんだけどなあ。
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