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アーセナルCL出場ほぼ絶望、私のメンタル維持の方法。

早朝4時キックオフのアーセナルvsニューキャッスル戦をリアルタイムで観たグーナーの皆さん、お身体は大丈夫だったでしょうか?

先日のノースロンドンダービー敗戦から追い討ちをかけられるようなニューキャッスル戦での結果にメンタルをズタボロにされての、仕事や日常生活は相当な地獄でありました。

昔の記事にも同じような事を書きました。


現在この記事を書いている5月19日には最終節に対戦するエバートンがクリスタルパレスに2点ビハインドからの3-2という奇跡の大逆転勝利し残留を決めました。
決勝点のキャルバート=ルーウィンの気迫のこもったヘッドはフットボールの全ての魅力がつまったゴールであり、私は勇気をもらうと同時にアーセナル戦の前にプレミア残留を決めてくれた安堵感という何とも言えない感情につつまれました。

今回はアーセナルを愛するが故に心が折れ、肉体的にもきつい状況である方々へ少しでも和らげられる一助になりたいと思い、この記事を書きたいと思います。

まず、結論から言います。

🔴感情を点ではなく波として捉える。

これが最悪な状況でも、感情に振り回されずに生きるために必要なことです。


人間の感情に良い悪いもないと思います。
むしろ退屈な日常生活において、アーセナルを通して様々な感情を抱くことは人生の彩りを与えてくれるものです。

しかし、ニューキャッスル戦後のような負の感情に覆われた時には点として見ないことです。

感情とは点ではなく、いくつもの感情がかさなりあっている波と考えます。

具体的に考えてみましょう。

直近における我々が最高に上がった瞬間は勝ち点差4ポイントでリードして迎えたノースロンドンダービーの直前でしょう。
宿敵スパーズに勝てば、4位内が確定しチャンピオンズリーグの出場も決め、順位上でもスパーズより上となりセント・トッテリンガムズデイを祝えるというアゲアゲな状態にありました。

しかしながら、試合は0-3という屈辱的な敗戦となり、我々の気分は一気に急降下したのです。

この時点でも残り2試合を全勝すれば自力での4位を勝ち取ることができたため、私も含めグーナーの皆さんの心もまだまだ余裕あるものであったと思います。

そして、その後スパーズとバーンリーの試合がありました。
残留争いの渦中にあるバーンリーにグーナーは一縷の望みをたくし、バーンリーサポに様変わりして応援しました。
しかし、バーンリーは善戦したものの手というサッカーでは使用してはいけない反則行為によりPKを与えてしまい、1−0でスパーズの勝利となってしまいました。

上の画像は20-21シーズンのバーンリー vs アーセナルのワンシーンです。
ぺぺの突破を明らかに手で阻止したこのシーンはVARにもならずにスルーされました。
まさにアーセナルあるあるです。

そんな事を思い出しながら、スパーズの勝利に悔しさをにじませながらも残り2試合勝つしかない!と気合がバンバンに注入された状態でニューキャッスル戦を迎えるのです。

ノースロンドンダービーで一気に落ちた感情を奮い立たせて上げていった結果、ニューキャッスルに負けるという受け入れ難い現実を突き落とされ、深い失望に陥った感情の波を観察することができます。

しかし、これはたった1週間の感情の波です。
これを今シーズンというスパンで考えてみてはどうでしょうか。

開幕戦のブレントフォードに敗れ、チェルシー、マンCとそのまま3連敗した時の感情を思い出してください。

とくに8月28日のマンチェスターシティに0−5で敗れた瞬間、私たちはどんな精神状態だったのか思い出すだけでもゾッとします。

そこから富安、ラムズデール、ホワイトの加入で一気にディフェンスラインが強固になりチームが一気に良い方向へと進んでいった頃のあの多幸感に満ちた感情を思い出しましょう。

ノリッジ、バーンリーをクリーンシートで破り、9月27日ホームでのノースロンドンダービーにおいてスパーズ相手に3−1と快勝しました。
スミス=ロウ、オーバメヤン、サカによる3発の歓喜のシーンは皆さんも鮮明に覚えていることでしょう。

感情を波として捉える上では、もっとより長い歴史的思考も必要かもしれません。

2011-12シーズンの8月28日のオールド・トラッフォードにおけるマンチェスターユナイテッド戦を覚えている方はいますでしょうか。

セスク、ナスリなどの移籍による主力の放出と怪我人が7人とわんさかいる状況が重なり、若手を多く起用せざるを得なかったアーセナルは2-8という衝撃的なスコアでマンUに大敗を喫しました。

あの時の絶望的な喪失感は私はまだ覚えています。

あの試合中ウォルコットとジェンキンソンが味方同志で激しく口論し、あきらかに内部分裂しクラブ方針が曖昧なまま悪循環に陥ったチーム状況でありました。
私はあの悪夢のような歴史的大敗に比べればどのような試合があっても受け入れられる気がします。

そしてこの状況を何とかしようとしたアーセン・ヴェンゲルは2011年の夏の移籍市場で8人の選手を獲得するという、いわゆるパニック・バイを行ないました。

ジェルヴィーニョ、オックスレイド=チェンバレン、ジョエル・キャンベル、アンドレ・サントス、ヨッシ・ベナユン、パク・チュヨン、そしてペア・メルテザッカーとミケル・アルテタを獲得したのです。

もちろんハズレ選手もいましたが、髪型が一切乱れない真面目一徹のアルテタと陽気な巨漢メルテザッカーという経験豊富な選手がチームの安定に貢献してくれました。
そして何とかチームは立て直しに成功し3位にてその年のシーズンをフィニッシュすることができたのです。


もし2−8というオールド・トラッフォードでの悲劇がなければ、現在のトップチームとユースチームの監督であるアルテタとメルテザッカーはアーセナルにこなかったかもしれないし、現在のアーセナルも違ったものになっていたかもしれません。

歴史的思考で見てみると、一つの惨敗も未来への伏線とも考えられるのが非常に感慨深いものになります。

このようにある瞬間の点だけで感情をフォーカスするより、より長い時間軸で感情を波として理解できるようになれば、見える世界が変わっていくような気がします。


最終節前に来季に向けてのユニフォーム発表とともにマルティネッリの11番が決まりました。

来季はラカゼットに変わり9番にジェズズ、そして14番にはニャブリの帰還が私の希望です。

しかし、今期のチャンピオンズリーグの扉はまだ完全には閉ざされてはいません。

エバートンには残留の余韻にゆっくりと浸っていただき、しっかりアーセナルが最終節に完勝して締めくくらなければなりません。

そして、最後に本物かの鳥はノリッジであることをスパーズに証明して欲しいものです。

最後に、先日亡くなったオシムさんの言葉で締めくくりたいと思います。

「終わるまではすべてが起こりうる。
人生はだいたいそうだし、サッカーでは常にそうだ。」

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