「滋賀の家展」 ハウスメーカーも建築家も挑戦してきた家づくり
滋賀県立美術館で開催中の「滋賀の家展」に行ってきました。
この展覧会については、以前からお世話になっている竹内さんが協力したということで知りました。
滋賀って実はすごいところ!
竹内さんの記事↓を事前に読みつつ、
建築士仲間にもこの展覧会の話をすると、滋賀って地味に見えて実はけっこうすごいところらしい・・・新築住宅着工数は全国の中でも多い。プレハブ住宅の工場だけでなく、自動車や他の産業の工場も多いらしい。ということを聞きました。そうだったんですねー!
そういえば、本屋大賞とった『成瀬は天下を取りにいく』は、滋賀が舞台となった小説で、地域をあげて本を盛り上げています。
会場へは車で行きました。新名神にのって、草津田上インターを降りてすぐ、山にある「びわこ文化公園」の中に滋賀県立美術館がありました。
プレハブ住宅
展示は、まず、1960年代の「びわこ大博覧会」や「ハイウェイサイドタウン」の資料から現代にいたるまでのプレハブ住宅、カプセル住宅の資料が並んでいました。
普段から竹内さんのSNSでプレハブ住宅の歴史や情報を見ていることもあり、個人的には、ここの展示が一番興味深かったです。
カプセル住宅といえば、黒川紀章の「中銀カプセルタワービル」。カプセルは滋賀県米原市にある工場で製造されたそうです。
そして、今回一番気になった住宅はこれです。
こんな可愛いユニットハウスがあったなんて知りませんでした。今のグランピング施設にも似ている気がします。
なんとFLORAの実物大図面もありました。
建築家の挑戦住宅
プレハブ住宅の展示の次には、建築家が滋賀に建てた、新しい住み方や家のあり方を探る、実験的、挑戦的な住宅が展示されていました。
竹原義二 伊礼智
そして美術館の屋外には、建築家 竹原義二 伊礼智 の作品が展示されています。(もちろん展示室にもそれぞれの住宅が展示されていました)
「湖畔の方丈」はリモートワークに対する提案とのことです。ほかの見学者がいたので中に入らなかったのですが、入って居心地を確かめておけばよかったなと後悔しています。(きっと居心地よかったに違いない…)
全体をとおして思ったことは、建築家は革新的、ハウスメーカーは保守的、と思われがちですが、どちらも住宅の作り方、あり方に挑戦してきて「今」の住宅があるんだな、ということです。(展示の意図もそうなのかな、ちがうのかな?)
もうひとつ思ったことは
親しみやすい美術館
ということです。
特徴的だったのは、展示の最後に
「家を描こう!」
とトレーシングペーパーと鉛筆、色鉛筆、定規、雲形定規が置かれていて、アウトプットするスペースがあったことです!
絵やアートを観にいく美術館じゃなくて、絵を描いたりアートを創りにいく美術館もいいですよね!
ガラス面の壁には、来場者が描いた家がめいっぱい貼られていました。
展示の住宅に似た家もけっこうあって、そうやって影響されるのもいいよねーって思いました。うまい下手関係なく、楽しく描くのがいいですよね。
「リビングルームとしての美術館」というのが美術館のコンセプトだそうです。
パンフレットには、「当館では、展示室でもしーんと静かにする必要はなく、おしゃべりしながら過ごしていただけます。」と書いてあり、小さな子供連れでも来館しやすくなっています。(ふりがな付きの子供向けパンフレットもありました!)
コンセプトどおり、公園内にあることもあり、遊びのついでに立ち寄ることができるような、親しみやすい雰囲気がすごくよかったです。
全国にこんな美術館が増えればいいなと思います。
興味ある方、会期は9/23まで、あと2週間ほどですが、連休もあるので、ぜひ行ってみてくださいね。
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