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すみれのアニス飴|詩

こちらの詩は雑誌ココア共和国の傑作集に選ばれた詩です。よろしければ読んでいただけますと嬉しいです。
フランス留学時代の友人からいただいた、すみれ味のアニス飴が嬉しくて、そんな気持ちを詩に込めました。
初詩作、初投稿で紙面に載ることになり、とても嬉しかったことを覚えています。

紫の誘惑
ころころまるい
小さな粒を口に含むと
あまく気だるい芳醇な香り
アニスのハーブの香りが
心まで浄化する

ユートピアを探すフランス人のごとく
この一粒は宇宙そのもの

悠久の時を思う
人はいつ頃からこの飴を舐めて
どんな気持ちでいたのか
生活は 喜びは 悲しみは

南フランスの日差しの強さ
豊かな光と強い影
土地の風土が
たった一粒に込められている

飴がなくなる時
もっとこのユートピアにいたいと思う
でも現実に戻る時
私はより私らしくあれる

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