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海のはじまり特別編|津野さんのことすきです

いまはギリギリ大丈夫だけど
二人きりになりたいなあ。
こども邪魔だなあ。
この子じゃなくてこの人の子どもが欲しいなあ。
って思っちゃうの、怖いんですよ
海がずっと1番って決めたから。

水季、溢れる想い


「津野さんのことすきです」
その言葉に続く水季の気持ちは
子をもつ母だからこそ溢れ出す不安と愛でいっぱいだった。
すべてを受け入れて、折り合いをつけて、
それでも気持ちは止められなくて、だから最期まで一緒にいたんだね

子を通して最愛の人を思い出してしまう
好きだなと思うたび、思った直後に昔の恋も思い出す
だって、嫌いになって別れたわけじゃないから。
嫌になって、嫌いになって、愛想尽かして別れられる恋は
なんて幸せなんだろうと
そんなこと、初めて思ってしまった。

わたしにも苦い昔の恋があって。
大学生の頃に付き合いはじめた、4つ年上の彼
ずっと一緒にいてほしいと告白されて、すぐに婚約。
お互いの実家同士がやりとりしたり、就職祝いをもらったり
4年も付き合ったけど、結局結婚しなかった彼。
事情はいろいろあったけど
最後は決断力のない彼にがっかりして、絶望して、お別れした。

きちんと話し合うこともできなくて
最後に会って話すこともしなくて
とっても後味の悪いお別れだったけど、そのおかげで美化されなかった
きっとそれは、幸せなことだったんだ。

ずっと後悔やら申し訳なさやら
最後くらいきちんとしたかったなって想いが消えなかったけど
ドラマをみて、新しい価値観を知って、

あれでよかったんだ。そう思えた

婚約者との別れと時を同じくして、幼馴染の突然死、人間関係のトラブルなど
複数のことが起こってうまく気持ちが整理できなくて
感謝よりも悪意を向けてしまったことは申し訳なかった
どうか、この先2度と交わらず、記憶と接点が薄れていく彼が
普通の幸せとともにありますように


不思議と、好きな人ができると
その人に触れたくなったり、会いたくなったり、
隣にいてほしい、一緒にいてほしいと願ったり
それって人間の本能なんだろうか
大事なものが増えて、失うのが怖くなって
守りたいものが増えると辛いことも増えていくのに
大切なものが増えていくことに嫌な感じはしなくて。

いまのわたしには、夫という好きな人がいて、
その人のことが、ただただ大切。
でも少し自分が弱っているから
もう大切なものはしばらく増えなくていいな

その分、隣にいる好きな人との思い出を少しずつ増やしていって
それがまた大切なものになって、っていうのを
焦らず、ゆっくり、紡いでいきたいな

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