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「名前のないつどい」について

はじめまして。
本田基博と申します。
朝来おかゆさんといっしょに、「名前のないつどい」を開くことにしました。このページでは会の紹介をします。

名前のないつどいが生まれたきっかけ

世の中にはいろんな「生きづらさ」があります。例えば私の場合は、吃音症という障害があり、言葉を話すことにむずかしさを感じることがよくあります。また、吃音症以外にも、障害と名付けられているものはさまざまありますし、障害の他にも、性的少数者、在日外国人、あるいは女性/男性であることによって一括りに考えられてしまうなど、さまざまな生きづらさがあります。
ただ、ここで今挙げた「生きづらさ」は、「名前のある」ものです。もちろん、これはこれで大変生きづらくはあると思いますが、名前があるからこそ自助団体などで情報共有や語り合いができたり、またまだ不十分とはいえ制度を頼ることができたりします。
しかし実際には、こういった分かりやすい名前がないような生きづらさもたくさんあるのではないかと思います。例えば私の場合、確かに吃音というのは今でも根強く自身の生きづらさとして在るのですが、それ以外にも、これまでの人生で苦労をした感じがしない、自分で主体的に行動できない、物事に関心を持ちにくい、それによって人と話を合わせるのが難しく、対人関係に恐怖心とまではいかないけれどもむずかしさを感じているなど、名前をつけにくいような悩みがあります。というか、むしろ吃音以上に今はそちらの悩みの方が大きいのではないかと思います。
こういった名前のない生きづらさを抱えていても、それを誰かと共有できる機会はなかなかないように思います。仮にもし誰かに打ち明けたとしても、自己解決すべき問題として捉えられたり、深刻に受け止めてもらえないことが多いのではないでしょうか。そうなると、「自分だけが悩んでいる」といった孤独感につながることがあります。
そのような名前のない生きづらさを抱え、孤独感をおぼえている人が自分の悩みを共有できる機会を作りたいという思いから、「名前のないつどい」を開きたいと考えました。ただし、名前のない悩みというのは、究極を言えば無限にあると思います。そのため、一人一人違った人間であるということを大切にしつつ、共通の悩みでつながる、のではなく、「それぞれがそれぞれの孤独を抱えたままつながる」ということを目指したいです。

名前のないつどいのルール

①専門用語を使わない
最近、当事者研究や哲学カフェなどのさまざまな場で語り合いが行われています。しかし、そういった場に対して、どことなく敷居が高いなと感じていたり、実際に参加してみて話についていけなかったという方もいるのではないでしょうか。語り合いの中で、専門用語や聞き慣れないむずかしい言葉が聞こえたり、自分の経験に対して分析されたりすることに、どことなくとっつきにくさを感じたりすることもあると思います。そこで、分析や研究的な視点をのぞいた、純粋な語り合いの場にしたいと考えています。

②言いっぱなし聞きっぱなし
前に書いたとおり、この会では議論をするのではなく、"語りを共有すること"をメインにしたいと思います。なので、基本的には誰かが話しているあいだ、他の参加者は聞くことに徹する、ということを原則とします。発言内容に関して質問をすることは自由です。

③人の発言に対する批判はしない
個人的には議論の場においての批判はあってもよいと考えています。ただ、この会は議論をする場ではないので、批判はしないように注意してください。各々の考え方を尊重し合ったうえで語り合いを進めたいと思っているので、ご協力お願いします。

④差別発言やハラスメントの禁止
これについてはわざわざルール化するまででもないと思っていますが一応明記しておきます。自由な語り合いの場にしていきたいですが、人を差別したり、嫌がらせをしたりする自由はありません。差別やハラスメントは人の自由を侵害する行為なので、他の人の自由を守ることを心がけてほしいです。
ただ、「無意識に差別やハラスメントをしてしまう」ことに悩んでいる場合、そのこと自体について語っていただくことはかまいません。
また、差別・ハラスメントとはまた違いますが、宗教の勧誘もお控えください。

⑤表現方法や参加のしかたは自由
私も含め、言葉を話すことに困難を抱えている人もいるかと思います。なので、この会では自分を表現する方法は、人に伝わる範囲内で自由にしたいと考えています。話すのがむずかしければ、筆談やイラストを描いてもらってもかまいません。
また、参加のしかたも自由にしたいと考えています。他の人の話は聞きたいけれど、自分の話はしたくないという人も大歓迎です。聞くのが辛くなってきたら途中で退場していただいてもかまいません。基本的に自分のきもちに従って行動してください。

⑥他の人が話した内容は口外しない
会のなかでは、自分の経験談を話していただくことになりますが、この会のなかだからこそ安心して話せるという人もいるかと思います。そのため、本人の許可なく話の内容を口外したり、SNSに上げたりしないようお願いします。


主催者について

本田 基博(ほんだ もとひろ)
27歳の会社員。大学院生時代、「当事者の視点から構築する吃音症の社会モデル」というテーマで修士論文を執筆し、マイノリティや当事者研究の世界に興味があります。
5歳の頃から吃音症があります。最近は、吃音症の自助団体にいくつか参加しつつ、個人的にもユニバーサル哲学カフェ(https://yunitetsu.hatenablog.com/)を不定期で開催しています。
いろいろなマイノリティ同士のつながりを作ることに貢献したいと考えています。よろしくお願いします。

朝来おかゆ(あさきおかゆ)
臨床心理学を学んでいる学生。会食恐怖症/社交不安障害に関する自分の経験をマンガに描いています。人前が苦手です。

問い合わせ先

メールアドレス
namaewamadanyai@gmail.com
Twitterアカウント
   本田 https://twitter.com/motohiro2202
おかゆ https://twitter.com/okayugokugoku

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