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自然が好きな理由

俺は自然が好きだ。緑が生い茂り、川に光が反射して、小鳥が鳴いている。川に不規則に岩が並んでいる。その上を恐る恐る渡っていくのを心から楽しいと思う。俺はこの先に行けるのか。それとも川に落ちるのか。ほとんどの人が行ってないであろう地点に辿り着くと、何故だか高揚する。俺は何を目指しているのか。ふと、岩の上に座り込み、目を瞑る。自然と音に注意が向く。視覚という人間の感覚の大半を占めるものを閉じると、他の感覚が研ぎ澄まされてくる。木々の揺れる音、川の流れ、小鳥の囀り。ああ、なんて幸せなのだろう。そう思えるのだ。

これは至って自然な感覚のように感じられる。人類は元々自然の中で暮らしていたので、このような環境を好むように設計されているのだ。だが、30年と生きてきた中で、比較的周囲の人より自然を好む傾向があると思い至った。何かと自然を選びがちなのだ。俺の勘違いではないと思われる。旅行するにしても自然の多いところに興味を惹かれる。

俺の知る限り、この自然を好む傾向がある人は幼少期などに自然を多く享受した人が多い。経験の中で自然は良いものだとインプットされているのだ。しかし俺にはそのような経験がない。特に田舎に生まれた訳でもない。親が頻繁にキャンプに連れて行ってくれた訳でもない。俺の自然好きのルーツはどこにあるのだろう。遺伝子的に自然を好む傾向があるで片付けられる問題なのだろうか。違う気がするし、違っていてほしい。いや、別に遺伝子的にそうだと言われても構わないんだけど、それだとこれ以上自分の深掘りをする機会が失われて面白くない。だから俺はこれからも自然と関わる中で自然を好きな理由を考え続ける。

分からなくても良い。ただ、それを考える過程の気付きも沢山あるので、大切な自分のテーマとして取っておくとする。

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