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21,04,02。決して他人事ではない。

今日のnoteは昨夜NHKBSプレミアムで放送された「ダークサイドミステリー笑顔が暴力を生んだ夜〜なぜ人々はヒトラーに従ったのか?」の話です。

多々あるオカルト系番組の中で最も良質な番組であると思っているダークサイドミステリー。毎回興味深いテーマを専門家のコメントときちんとしたデータを基に検証してくれます。そんな制作スタイル故制作に時間が掛り不定期気味な放映スケジュールとなってはいるものの自分にとっては放送が楽しみな番組の筆頭となっています。

昨夜のテーマはサブタイトルにある通り第一次世界大戦後のドイツで急激に勢力を拡大し、やがて全権を掌握するに至ったヒトラー率いるナチスがテーマでした。

最初は過激なイデオロギーを掲げた弱小団体だったナチスが、当時のドイツ国民が置かれていた状況をいかにして利用し、瞬く間に勢力を広げていったのかを検証した内容でしたが「所詮は過去の他国の話」と片付けられない話であろうと思います。

長引く新型コロナの影響でじわじわと瘧の様な不満が人々に溜まり「自分が恵まれた状況にないのは○○の所為」と言う陰謀論めいたルサンチマンを他の弱者への憎悪で解消せんとするヘイトがネット上にはびこる昨今、現在のわが国の状況はナチス台頭前夜のドイツと大きな隔たりが無いように感じられて仕方ありません。

人心掌握術にたけたカリスマが急激に勢力を拡大させかねない状況ゆえ、ヘイト団体の代表がそれなりの得票数を集めたり、冷静に考えれば国政の場に参加する程の資質を持っているとは言い難い団体が政権に参加してしまうといった事態は既に起きています。

「ナチスは暴力的な手段で当時の国民を支配していたわけでは無い」と言う事実はごく平凡な一般市民も状況次第でいとも簡単に過激なナショナリズムの熱烈な賛同者に変わると言う恐怖を証明していると言えるでしょう。

他を憎み団結する事で生まれる歪んだ優越感が向かう先にあるものが弱者への徹底した排斥である事が番組内でも取り上げられましたが、数年前にわが国でも極端な信条を持つ単独者の犯行とはいえ養護施設での大量殺人と言う形で既に具現化しています。

こんな時節だからこそ冷静に考えるべきは「それは本当に正しいのか?」と「弱者を排斥する事で強者に成り代われる訳では無い」というごく当たり前な事でしょう。

一時的な高揚感や優越感にとらわれて冷静な判断を失う事無く、多数派の理論で安易に少数派を異端と断じない。昨夜の放送を見て肝に銘じなければとあらためて思うのでありました。




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