大腸がんの話。Uターン手術室。

手術前の説明で自分の場合腫瘍が腸壁を深く浸潤している事が予想される為、腫瘍を取るのではなく大腸を腫瘍ごとある程度の長さでカットし、同時に周囲のリンパ節も取ると聞いていました。

術後検査で大腸の縫合部に少しでも縫合不全の疑いがある反応が出た場合、大事をとって人工肛門をつける再手術になることも説明を受けていましたが、手術の翌朝の回診で自分には縫合不全の兆候が有るとの事を告げられ、その日の夜に再手術を行う事に。

人工肛門をつけるといっても永久ではなく手術した大腸が問題なく繫がるであろう3ヶ月ほどの期間限定との事でしたから何事も経験と自らに言い聞かせ覚悟完了。

ようやく術後の痛みが治まったと安堵する間もなく夜には手術室へUターン。腹腔鏡とはいえ一度お腹を切っている状態ですぐに再手術で腸を引きずり出される事に若干の不安を覚えましたが目が覚めるとお腹には当面の相棒が顔を覗かせている状態(笑)

30代の頃に痔が酷くなった事があり、人工肛門をいうワードを知った時に「そんな便利な物が」と勘違いした事があります。

調べてみれば肛門を人口の物に入れ替えるのではなく腸の末端をお腹から出して肛門を使わないようにするものだと知り「それでは困るなぁ」と思った覚えがありました。

そんな人工肛門敷設、無事に手術は完了しましたが相変わらず強い痛み止めが使えない状態でしたから術後の苦しみをもう一度です。

おまけに今回は痛みを誘発する要因がもうひとつ加算される事になりました。内臓を再度いじくった事で横隔膜の痙攣を誘発する事になりひゃっくりが止まりません。ひゃっくりのたびにお腹が「キュッ」となりますからそのたびに痛い思いをする事になります。

前夜同様のさざ波のごとき苦痛にひゃっくりによる突発的な痛みが加わりましたからなかなかの地獄を見ましたが前回同様夜が明ける頃にはひゃっくりも傷みも治まり、とりあえず気を失うように眠りにつけたことを記憶しています。

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